デジタル人材の育成
漆原 茂
現在、建築用3Dプリンティングシステムは海外でも開発が進められており、様々なシステムが登場している。しかし、現状では機械が大型であることなどから施工場所が限定的であり、日本の土地にそぐわない点が多い。
本プロジェクトでは、自走式の小型の建設用3Dプリンティングロボットを使用し、自動建設化のためのソフトウェアを開発する。これにより、狭い土地での施工という日本の建設風土に配慮し、かつ高度なデザインの建築物を短期間、低コスト、少ない人員で建設することができるようになる。
本プロジェクト期間中にモデルハウス(タイニーハウス)を構築し、3Dプリンティングシステムによって建物の建設が可能であることを明らかにすると同時に、従来の施工方法よりもどのくらいコストや作業員数を抑えたうえで自由な形状の建築を提案することができるかを検証する。また、商業施設や一般住宅、その他の産業へ展開させるために、スケール・デザイン的な発展と応用マーケットを模索する。
アイデアや技術内容は未踏からの発展系であり面白いです。チームの覚悟も良いです。これまでの建築の常識を大きく変えうるポテンシャルを持ち、技術陣も揃っていることから採択しました。一方で建築分野は法規制もあり事業化に時間がかかるので注意が必要です。まずは実装技術を高め特許などで押さえて利用ユースケースを広く探る一方、デザイン建築や海外などの市場も広く狙いたいです。本プロジェクトはプロジェクト計画時にターゲットがタイニーハウスの試作に変更されました。差別化技術の獲得と応用マーケットの模索を行い、事業化の目処をつけたいです。
建築用の3Dプリンターはいくつか既にありますが、他の技術とどう優れているかをこれから調べていきたいです。また、ビジネス面から見たら、日本での事業化よりも海外の方が圧倒的に市場規模が大きいので、海外展開が行えるかどうかを一緒に探っていきたいです。