デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業(ユース):2010年度採択プロジェクト概要(松田PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

首藤 一幸(東京工業大学 大学院情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 准教授)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    松田 紘(電気通信大学)

  • コクリエータ
    なし

3.採択金額

  • 1,792,000円

4.テーマ名

  • 大量の漫画画像に基づくアニメーションの生成

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

近年、アニメーションを始め、映画、ゲームなどの「コンテンツ産業」の育成が活発化しており、これらのコンテンツを育成・発展させるための基幹技術が求められている。アニメーションコンテンツも有望視されているが、その製作は膨大な労力を要する。その労力を減らして敷居を下げることができれば、製作活動は活発になり、魅力的な作品が世に多く溢れることだろう。

そこで本プロジェクトでは、大量の漫画画像データを分析して知識を抽出し、ユーザがその知識を利用することで、容易かつ直感的にアニメーションを製作できる環境を開発する。大量の漫画画像データをコンピュータが学習することで漫画の知識を獲得し、その知識を利用してユーザはインタラクティブにアニメーションを生成する。これにより、これまでネックとなっていたアニメーション製作時の膨大な作画作業にかかる労力を大幅に軽減することが可能となる。

本システムを使用することで、絵を描いたことのない人でも手軽にアニメーションコンテンツを製作することが出来るようになることを目指す。

7.採択理由

大量の漫画画像からセルアニメーションを作るという提案である。
作りたいアニメの部分部分に応じた画像を漫画から見つけ出し、それをアニメの元として使う。

最終目標は極めて野心的で、普通に考えたら、とても実現できるようには思えない。
シーンに合う画像やキャラクタの発見、アニメとして連結できる体裁や品質への統一、などなど、課題は山のように思いつく。 しかし松田君は、類似画像の発見など様々な要素技術の調査、実装、実験を自らの動機を持って貪欲に進めており、人には作れないソフトに到達する可能性が高い。

中間目標を具体的に設定して、興味本位だけでなく、目標に向けてまとまったものを作ることを繰り返す必要があるだろう。 また、アニメにこだわらず、漫画素材を別の方法で活かすことも考えてみた方がよい。

松田君にしか作れないソフトを楽しみにしている。