デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業(本体):2009年度上期採択プロジェクト概要(西野PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

夏野 剛(慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    西野 裕樹('Arts&Creativity Lab, National University of Singapore NUS Graduate School for Integrative Sciences and Engineering Ph.D student) 

  • コクリエータ
    なし

3.未踏プロジェクト管理組織

  • コシキ・バリューハブ株式会社

4.採択金額

  • 6,940,000円

5.テーマ名

  • モバイル・デバイスの為の高速度なAugmented Reality 用マーカ認識システム

6.関連Webサイト

  • なし

7.申請テーマ概要

Augmented Reality とは、現実世界でユーザが見ている視界にCG モデルや、 様々な情報を合成し、インタラクションを行う技術である。近年商用やユーザレベルでの利用が非常に期待されている技術であるが、ハイスペックのPC でなければ十分なユーザ・エクスペリエンスを提供できない場合が多い。

そこで、本提案では携帯デバイス(ネットブック、AndroidやiPhone など)を中心に想定し、そのような一般的なデスクトップPCに比べて低性能な環境でもリアルタイムのインタラクションに十分な高速に動作する、あたらしいAugmented Reality 用のマーカ認識技術を開発する。

これにより、町中や屋内でのAugmented Reality を利用した、一般ユーザへのサービスや携帯ゲーム機でのエンターテイメントを実用化する為の基礎技術を開発する。

トポロジー情報とその他の情報を組み合わせてマーカ認識および位置推定を行う手法を現在プロトタイプ中であり、既存の手法の多くに比べ、モバイルデバイスなどでも十分な速度がでるものとなっている。

この手法をさまざまに発展させ、携帯デバイスでも十分な速度で動く、ARサービスの実用化を大きく考慮した、あたらしいARのためのマーカ認識技術を開発する。

8.採択理由

本提案は、実現性、独創性の面で、一般に言われているARの試みに対して優位性がある。特にマーカーの生成にトポロジー理論を用いて、デザイン性、景観親和性を高めている点に、これまでのアプローチにはない独創性がある。

しかし提案者はあくまでも「ARのモバイルデバイスへの実装の実現性を高める手段」としてのマーカー使用という点を十分に理解した上で、その認識システムを効率性、実現可能性向上のために用いているので、将来的に対象物の直接認識精度が向上した場合にも、補助手段としての本システムの有効性は将来的にも十分に担保されるものとなるであろう。