デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業(本体):2009年度上期採択プロジェクト概要(齋藤達也PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

石黒 浩(大阪大学大学院 基礎工学研究科 システム創成専攻 教授)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    齋藤 達也(東京芸術大学 博士課程)

  • コクリエータ
    なし

3.未踏プロジェクト管理組織

  • オムロンソフトウェア株式会社

4.採択金額

  • 6,110,000円

5.テーマ名

  • 写真メールに匹敵する遍在的な携帯コミュニケーション基盤の創造

6.関連Webサイト

  • なし

7.申請テーマ概要

本研究開発では、「写メール」の次にくる日常的なコミュニケーション基盤技術および技法について焦点を絞り、2、3年後にくるはずの次の携帯コミュニケーションを先取りし、今、実現することを意図している。

コミュニケーションのためのメディアにとって、一つ根本的なことは、技術それ自体の新しさではなく、技術の上に『技法』がのせられることが、遍在的なコミュニケーションの基盤となるための必須条件であるということだ。また、大抵の携帯メールや写メールの編集から送信にかけられる時間は 30 秒から 1 分である。携帯メディアという特性上、短時間で編集可能な環境を提供しなければならない。

普段、写真によるコミュニケーションや映像撮影を実践したこともない技術者が、携帯メディアのための新しいコミュニケーション技術を設計できるわけがない。装置技術、インターフェースどれについても、メディア技術自体に意識がいかないくらいそれが身体化され、その上にリテラシーが成立するように設計されていなければならない。本研究開発では、「コマ撮り」の手法を利用して、携帯メール上の絵文字や写メールと同じくらい簡易に利用でき、非常に低解像度、低容量だが鮮やかに伝わり体験できる「指先で触れられる」インタラクティブな映像メールの開発を行う。

具体的なチャレンジとしては、限られた表示機能とインターフェースしか装備しない携帯メディア上で、どのようにしてこれを実現するかがポイントである。昨今の技術開発が主に向かう、「大容量」「高精細」に反し、低解像度の写真で構成されたものであっても、非常にヴィヴィッドでリアルな映像体験を携帯上で共有できることが可能であることを本提案は示す。

8.採択理由

提案内容は本人の能力を反映したものであり、興味深い。画像処理を導入するとさらに発展させることが出来ると期待される。