デジタル人材の育成
増井 俊之(慶應義塾大学 環境情報学部 教授)
チーフクリエータ
北 直樹(FDD-MB株式会社 戦略本部・主任研究員)
本提案では、離散エレメントの対話的分布によるテクスチャ生成が可能なアプリケーションを開発することで、既存ソフトウェアでは作成困難なテクスチャを容易に作成できるようにする。
本アプリケーションの特徴は、大量の離散エレメント(オブジェクト) の分布をマウスドラッグ等の直感的な操作で制御可能な点である。離散エレメントとは、互いに重なり合わないようなオブジェクトのことを指す。平面の領域を離散エレメントで充填する際、既存手法では実用的な時間で充填することが困難であったり、手法上対話的な編集を行うことも難しい。しかしながら、離散エレメントを配置したテクスチャは、例えばWeb素材や背景装飾、あるいはモザイク画の作成等に極めて有用であり、本提案アプリケーションの需要は大いに考えられる。
本提案では次の開発を行う。
これらのツールが統合されたアプリケーションを開発することで離散エレメント・テクスチャが誰にでも容易に作成可能になり、表現の幅が大きく広がることを期待する。
Webページの背景などで奇麗なテクスチャがよく利用されているが、気のきいたテクスチャを自分で作成するのは困難である。また、決まった領域の中に画像を奇麗に埋めてテクスチャを作るのも簡単ではない。北君の提案は、このようなテクスチャの自動的かつ対話的な作成を支援するもので、様々なデザイン場面で利用できるものである。
北君は新しく有用なアルゴリズムを提案しており、これを改良しつつ優れたインタフェースを用意することによって幅広いユーザに利用してもらえるようになるだろう。
自動的にレイアウト計算や評価を行なう場合、ユーザが配置結果を気にいらないということがよくあるが、そのような場合でも対話的に修正が可能な技術を開発してもらいたいと考えている。