IPAについて
公開日:2024年8月23日
最終更新日:2024年8月26日
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
日本企業のDXの取り組みと成果などを、戦略・技術・人材の視点からまとめた「DX動向2024」。2023年度、DXに取り組んでいる企業は73.7%と2022年度の米国のレベルにほぼ並びました。DXの成果が出ている企業は58.0%から64.3%に増加したものの、米国(同設問回答89.0%)とはまだ差があります。
DXの取り組み項目別の成果状況では「アナログ・物理データのデジタル化」や「業務の効率化による生産性の向上」のように比較的取り組みやすく成果も出やすいものがある反面、「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革」など、新たな価値を生む変革への取り組み成果はまだ少数と道半ばの状態です。
優れたIT人材を発掘・育成する「未踏事業」の2024年度実施プロジェクトを公開しました。「未踏事業」には、目的や対象年齢が異なる3つのプログラムがあり、採択者たちはさまざまな支援を受けながらプロジェクトを推進します。
このうち、ビジネスや社会課題の解決を目指すIT人材を育成する「未踏アドバンスト事業」では、過去最多となる143件の応募があり20件のプロジェクトを採択しました。
今後、採択者たちはプロジェクトマネージャーの指導のもと、約9ヶ月間にわたり開発プロジェクトに取り組みます。
生成AIの登場で、生産性向上が期待される一方、AIの悪用・誤用によるサイバー攻撃やインシデント被害も懸念されています。
AI業務利用時のセキュリティ脅威・リスク認識・対応状況に関するIPAの調査では、6割が脅威を感じ、7割がセキュリティ対策は重要と回答。一方、生成AI利用時のセキュリティ関連規則の策定、明文化、組織的検討がされている企業・組織は20%未満とルール整備は途上です。IPAは本報告書の公開により、AIの業務利用におけるセキュリティ上の脅威・リスクの認識が向上し、AIを安全に使うための体制整備が進むことを期待しています。
我が国の水道事業は、職員数減少、施設老朽化、料金収入減少、災害リスクなど多くの課題に直面しています。国土交通省(厚生労働省から2024年4月に水道整備・管理行政を移管)、経済産業省およびIPAは、CPS(注釈)/IoTを活用した水道情報活用システムの普及を推進しています。同システムは「データ流通のルール」を標準化し、各機器やシステムがこのルールに従うことで相互のデータ管理を可能とし、今後の事業統合や広域連携、管理の高度化、水道施設台帳の整備などを効率的に実現することを目指すものです。
水道事業者さまからのご要望に応え、各地の取り組み・導入の手順、手続き、メリットなどをまとめた事例集・ガイドブックを作成しました。IPAでは今後も水道事業をとりまく課題解決とDXの推進に取り組んでいきます。
クラウド環境にデータを保存
データ項目等を規定、データを自由に活用可能
既存アプリも導入可能
水道情報活用システムとは、水道事業者が保有するデータに関するルールを定めたものです。主に、アプリケーション・デバイス・水道標準プラットフォームで構成されています。
データの規格などが標準化されるため、職員の経験を頼りに行っていた業務や、技術・知識の継承を効率化・システム化することができます。
標準化されたデータにより、断水事故等の迅速な情報共有や、データを活用した漏水検知など、住民生活に与えるリスクを最小限に抑えます。
ベンダーロックインの解消による適切な競争環境の実現や、柔軟性のあるクラウドサービスによるシステムの増減等、費用の適正化が可能です。
データは耐災害性の高いデータセンターで管理されており、災害時にはクラウド化された水道情報資産により効果的な受援体制が構築可能です。