IPAについて

IPA NEWS Vol.65 Hot & New Topics

公開日:2024年1月24日

最終更新日:2024年4月3日

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

2024年度「未踏事業」の公募を開始

「未踏事業」は、IT開発プロジェクトを通じてIT人材を発掘・育成する事業です。現在、IPAでは25歳未満の若手IT人材を発掘・育成する「未踏IT人材発掘・育成事業」、ITでビジネスの創出や社会課題の解決を目指す人材を育成する「未踏アドバンスト事業」、先進分野のIT人材を育成する「未踏ターゲット事業」の3つの事業を推進しています。

各事業において昨年から2024年度の公募を開始し、自身が取り組むプロジェクトの提案を募集しています。採択者にはプロジェクトマネージャーによる技術的な指導・助言のほか実績に応じたプロジェクト推進費用の援助等を行い、採択者の成長を支援します。

未踏事業の公募概要

  • 未踏事業の公募概要

国内初のサイバー事故調査事業が始動

重要インフラや社会基盤を狙うサイバー攻撃への対策の一環として、2023年12月から高圧ガス、ガス、電力事業者などでプラント等の事故が発生した場合は、必要に応じてサイバーセキュリティの観点から原因究明調査を行うことが義務づけられました(注釈)。

このようなサイバー事故調査の枠組みが確立されたのは国内初で、IPAは制御システムの防衛手法などに精通した専門機関として本調査業務の中核を担います。従来は原因が特定できなかった保安上の事故もサイバー攻撃に起因すると判断された場合は、再発防止の検討や業界内のガイドラインの見直しなどが可能になり、これによる業界の防衛力の向上が期待されます。

  1. (注釈)
    高圧ガス保安法等の改正(2023年12月21日施行)による。

サイバー事故原因究明調査の実施フロー (インシデント発生時)

  • サイバー事故原因究明調査の実施フロー (インシデント発生時)

情報処理技術者試験等の出題範囲・シラバスを改訂

IPAが運営する「情報処理技術者試験」「情報処理安全確保支援士試験」は、ITに関する一定水準の知識・スキルを証明する国家試験です。

今回の改訂は近年の技術動向や環境の変化に対応したもので、特にDX推進を担う人材に必要な素養や専門的なスキルを評価できるよう「ITパスポート試験」を除く12の試験区分の出題範囲と、全試験区分のシラバスを見直しました。

主に、ビジネス変革やデザイン、データ・AIの利活用といったDX推進に重要とされる分野の項目・用語などを反映しており、これによりDX人材の育成・確保に向けた有効な試験の活用が期待されます。改訂内容は2024年10月実施の試験から適用する予定です。

「試験要綱」で定める「出題範囲」の改訂対象

試験区分

項目

ITパスポート試験を除くすべての試験区分

「科目A試験、午前の試験」の出題範囲

情報セキュリティマネジメント試験

基本情報技術者試験

情報処理安全確保支援士試験

「科目B試験、午後の試験」の出題範囲

 

主な改訂内容

  1. DX推進に必要となる知識(ビジネス変革、デザイン、データ利活用、AI (生成AIを含む)利活用など)を評価するための対応
  2. 「 数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム(注釈)」のキーワード等の取り込み
  3. システムアーキテクト試験およびエンベデッドシステムスペシャリスト試験の午前Ⅱ試験においてユーザーインタフェース技術、UX/UIデザインに関する分野を出題対象に追加 など
  1. (注釈)
    数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムが策定した、数理・ データサイエンス・AIの応用基礎力の習得を目的とした大学・高専生向けの教 育プログラム。(2021年3月31日公開)

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