試験情報

東京情報大学

公開日:2024年2月22日

情報処理技術者試験は 「学生」「大学」双方に価値あり!

  • 東京情報大学
    学長 布広永示 様(左)
    総合情報学部 総合情報学科 教授/就職委員長 マッキン・ケネスジェームス 様(右)
    総合情報学部 総合情報学科4年 石川尚貴 様(中)

東京情報大学は学校法人東京農業大学を経営母体として、1988年、千葉市に開校しました。総合情報学部と看護学部の2つの学部があり、このうち総合情報学部は情報システム学系、データサイエンス学系、情報メディア学系の3学系で編成しています。学生数は総合情報学部が1,839名、看護学部が318名の計2,157名です(2023年5月1日現在)。
布広永示学長と、総合情報学部総合情報学科の教授で就職委員長も務めるマッキン・ケネスジェームス教授に、情報処理技術者試験の活用状況やメリットなどを伺うとともに、ITパスポート試験(以下、iパス)と基本情報技術者試験(以下、FE)の合格者である総合情報学部総合情報学科4年の石川尚貴様に、受験の動機や勉強法についてお話しいただきました。

東京情報大学では20年以上にわたって情報処理技術者試験を活用

布広

布広様写真

総合情報学部の教育方針は、情報の高度な利活用ができる「情報の創り手・使い手」となる人材を育成することです。具体的には、卒業までに論理的思考や探求心、持久力、データを読み解く感覚などを身に付けてほしいと考えています。
そうした観点から、本学では20年以上にわたって情報処理技術者試験を活用してきました。本試験は情報処理全般をカバーしているうえ、レベルや分野ごとに学びの内容が体系化されているので、学生の知識や能力を客観的に評価するのに役立ちます。また、学生にとっても、合格という目標を掲げることで学習意欲の向上が期待できるでしょう。
本試験の中でも本学が比重を置いているのが、FEとiパスです。総合情報学部のカリキュラムとシラバスは、両試験の試験範囲と重なっており、学生に強く受験を勧めています。

マッキン

マッキン様写真

総合情報学部では1年次の終わりにiパスの受験を、さらに同学部の情報システム学系においては2年次の終わりにFEの受験を推奨しており、合格すると授業評価も高まる仕組みにしています。つまり、FEとiパスを学びの柱の1つに据えているわけです。
授業科目以外でも課外授業として無料の試験対策を実施しているほか、大学としてFEの免除対象講座の認定を受けており、当該講座を受講して修了試験に合格した学生はFEの科目A試験が免除されます。
iパスとFEに合格した学生には、3年次の終わりくらいをめどに、応用情報技術者試験や 高度試験へのチャレンジも促しています。

大学のシラバスと試験を連動させることで、大学の学びの質も高まる

マッキン

FEとiパスは、「企業が人材に求める要件」と「大学の学び」をつなぐ役割を果たしていると思います。いずれも広く認知されている試験であり、多くの企業が新入社員教育やOJTの目標に設定しています。つまり、人材のスキル判定のツールとして活用されているということです。したがって、IT業界を目指す学生にとって、両試験に合格することはトロフィーを獲得するようなもので、自身の学びの証明になるといえるでしょう。結果として本人の自信も高まるので、その後の学習や就職活動にもよい効果をもたらします。
また、本試験と大学のシラバスを連動させることで、大学の学びの質も高まると思います。世の中が求める情報技術を学ぶ場となっているか、時流に合った教育を提供できているかをチェックするものさしになるからです。
私の研究室では受験の機運を高めるため、合格した試験の数を競うなどゲーミフィケーションも取り入れています。今後、情報システム学系でiパス合格者を50名、ゆくゆくは100名規模にまで拡大していきたいと考えています。FEはその半分くらいを目標としたいですね。

ITを利活用する能力はあらゆる分野で問われる

マッキン

大学入学当初は各種の試験にチャレンジしようと意欲満々でも、日々の課題やアルバイト、サークル活動などに追われるうち、次第にその意欲を失う学生は少なくありません。FEやiパスをはじめとする情報処理技術者試験は、学習のプロセスを計画し視覚化するマイルストーンとしても役立ちます。また、試験に挑み合格する喜びは、自信とさらなるステップアップへのモチベーションにもつながるでしょう。
社会人と違って学生は勉強時間も確保しやすく、その点でも有利です。学生時代にがんばったことは、きっと将来の実りになるはず。未来の自分を輝かせるため、多くの学生に受験に向けたエールを送りたいと思います。

布広

DX推進やICT化は、今後ますます加速していくでしょう。IT業界に限らず、あらゆる業界、分野でITを利活用する能力が問われることになります。その中には、当然医療や看護の分野も含まれるわけです。最近は医療現場で働く人材にiパスやFEに合格することを求める動きもみられます。IT知識を得ることがキャリア設計にもつながることを、本学のすべての学生に対していっそう強く訴えていきたいと考えています。
同時に、これはあらゆる大学にもいえることだと思います。理系や情報系でない分野でIT教育を推進する場合、それぞれの分野にIT がどのように関係するか、どのように使えるかを考えながらITを修得していく必要があるでしょう。ITの問題点や可能性について理解を深め、本当の意味でITを生かす姿勢が望まれていると思います。

IT業界で働くために「絶対合格する!」と誓った

石川

石川様写真

高校生のとき、スマホを通じてさまざまなアプリに触れ、自分もこういうものをつくりたいと考えてこの大学に入りました。3年次からは知能情報システム研究室に所属し、AIや人工知能について専門的に学んでいます。
入学して初めてITを学び始めたのですが、この世界は奥が深いうえに進化も早く、学ぶことが無限にあると気づきました。そんな折り、大学で情報処理技術者試験を勧められたんです。試験勉強を通じて知識が体系的に身に付きますし、合格すれば1つのゴールにたどり着いたという達成感も得られます。また、就職活動や就職後に仕事をするうえでも有利になるのではないかと考え、受験を決意しました。
まず受けたのがiパスで、1年次(2020年)の12月に挑戦して合格しました。うれしかったですし、ITをもっと知りたいという意欲が湧いて、他のIT系民間資格取得の足がかりとなりました。
FEには2年次から挑戦し始めましたが、実は2回不合格になったんです。でも、そのたびに悔しさがバネとなり、かえってやる気が出ました。IT業界で働くために「絶対合格するんだ!」という意気込みで勉強に励み、3年次修了後の春休み(2023年4月)にようやく合格を果たしました。

ゼミのメンバーと楽しみながら、切磋琢磨できた

石川

iパスもFEも、過去問題をたくさん解くようにしました。ただ、それだけでは知識にムラが出るので足りない部分は参考書を読んで補完するとともに、用語の意味と出題内容を紐づけて早く正確に答えにたどり着く力を養いました。FEで不合格が続いたときは勉強時間を増やすことを心がけ、バスの移動中や寝る前などに少しでも問題を解くようにしました。
また、ゼミのメンバー同士、合格に向けて一緒にがんばれたことも大きかったです。カードバトルのように合格した試験の数を競い、楽しみながら切磋琢磨できました。

FEやiパスに合格したという事実は、実力の裏付けとなる

石川

iパスやFEの勉強を通じて、ITの専門用語の意味が分かるようになりました。また、就職活動では両試験に合格していることを経歴書に記載しました。最終的に、希望どおりIT企業の技術職として内定をいただくことができました。就職が決まった会社ではFE合格者に資格手当を支給するほどFEを重視しているので、採用のプラス材料になったかなと思います。
FEやiパスに合格したという事実は、実力の裏付けとなるもの。情報処理技術者試験に挑戦したおかげで自分の成長や達成感を感じることができ、充実した4年間を送ることができました。

  1. (注釈)
    掲載内容は2024年1月取材時のものです。