産業サイバーセキュリティセンター

産業サイバーセキュリティセンター 事業内容

最終更新日:2024年4月12日

事業背景

 近年、社会インフラに物理的なダメージを与えるサイバー攻撃のリスクが増大しています。海外においては、既に、他国家等からなされるサイバー攻撃により、重要インフラ・産業基盤の安全が脅かされる事案が発生しています。

 このような状況下において、我が国の経済・社会を支える重要インフラや産業基盤のサイバー攻撃に対する防御力を抜本的に強化する必要があります。

 そこで、2017年4月1日に発足した IPA 産業サイバーセキュリティセンター(Industrial Cyber Security Center of Excellence, ICSCoE)では、模擬プラントを用いた演習や、攻撃防御の実践経験、最新のサイバー攻撃情報の調査・分析等を通じて、社会インフラ・産業基盤へのサイバーセキュリティリスクに対応する人材・組織・システム・技術を生み出していきます。

事業内容

人材育成事業

  • 社会インフラ・産業基盤事業者において、自社システムのリスクを認識しつつ必要なセキュリティ対策を判断できる将来人材を育成するプログラムを提供します。
  • 情報系システムから制御系システムまでを想定した模擬プラントを設置し、専門家と共に安全性・信頼性の検証や早期復旧の演習を行います。
  • 最新の技術・ノウハウを学び、他業界のセキュリティ責任者や専門家、海外との連携を促進するコミュニティなどを創出します。
  • 海外との積極的な連携において、海外専門家との知見交流の場を創出し、グローバルな知見を蓄積します。
  • 企業等の経営層に対して、サイバー攻撃の実態や産業サイバーセキュリティ対策の必要性を啓発するためのトレーニング提供・情報発信を行います。

提供プログラム全体像

「中核人材育成プログラム」「製造・生産分野の管理監督者層向けプログラム」 「責任者向けプログラム」「実務者向けプログラム」の4つのプログラムを提供します。

  1. 中核人材育成プログラム
    • テクノロジー(OT・IT)、マネジメント、ビジネス分野を総合的に学ぶ1年程度のトレーニングを実施します。3ヶ月程度の初歩的なレベル合わせからハイレベルな卒業プロジェクトまで実施します。
    • 中核人材育成プログラム
  2. 責任者向けプログラム
  3. 実務者向けプログラム
  4. 管理監督者向けプログラム 現在実施しておりません
    • サイバー攻撃への準備、復旧計画といったセキュリティ戦略の立案から、インシデント対応など、現場が主体的に取組むべき内容を全7コースで実施します。
    • 製造・生産分野向けセキュリティ教育プログラム

目指すべき産業サイバーセキュリティ人材像

OT(制御技術)とIT(情報技術)双方のスキルを核とした上で、サイバーセキュリティ対策の必要性を把握し、プロジェクトを強力に推進していく力を養います。
本プログラムでは、一例として、以下のようなスキルを習得し、実践していく人材の育成を目指しています。

自社システムの安全性・信頼性を客観的に評価し、自社のサイバーセキュリティ戦略の立案や経営リスク・財務リスク等を含めた自社内幹部への説明ができる。
  • リスク評価の結果に基づき、その影響の大きさや緊急性を見極め、対策の要不要や優先順位を判断できる。
  • 経営層、現場担当者の双方とコミュニケーションが取れ、必要な対策を素早く確実に実行に移すことできる。
最新のサイバー攻撃のトレンドに精通し、他業界や海外の対策状況等を把握し、自社の対策立案に効果的に反映できる。
  • 他業界、海外の関係業界、専門家等にネットワークを持ち、最新かつ正確な情報を収集できる。
実装するサイバーセキュリティ対策の安全性・信頼性や必要な技術・コストを精査でき、内製化すべきもの・アウトソースすべきものを見極めて、対策を効率的かつ確実に導入できる。
  • 自社の業務やシステムの特徴を踏まえ、必要な要求事項を盛り込んだ仕様書を作成できる。
  • 提供サービスの質を適切に評価(担当者の技量に依存せず必要な観点をカバーしているか、信頼できる製品を使用しているか、コストに見合った内容か等)でき、アウトソース先を適切にマネジメントできる。

実際の制御システムの安全性・信頼性検証事業

  • わが国の社会インフラ・産業基盤に係る制御システムの安全性・信頼性に関するリスク評価を行います。
  • あらゆる攻撃可能性を検証し、必要な対策立案を行います。

サイバー技術研究室

  • 最新のサイバー攻撃情報を収集します。(例えば、おとりシステムの観察や民間専門機関が持つ攻撃情報を集積します)
  • 新たな攻撃手法等を調査・分析し、人材育成事業やシステム検証事業に活用します。