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本事業は、2009~2018年度に実施しました。
国民生活や社会経済活動における基盤となった情報システムは、「大規模化・複雑化」、「利用の広がり」の点からますます高度化しています。このような高度化に伴い、情報システムの安定的なサービスが求められるようになっており、複雑なシステムを構成する多様なコンポーネントがきちんと連携してそのようなサービスを提供する「システム基盤」の実現が重要になっています。そのためには、提供したいサービスに対応する要求を適切に定義する必要があります。
システム構築における要求には機能要求と非機能要求があります。このうち、非機能要求については、以下のような要件定義上の課題があります。
「非機能要求グレード」は、「非機能要求」についてのユーザと開発者との認識の行き違いや、互いの意図とは異なる理解を防止することを目的とし、非機能要求項目を網羅的にリストアップして分類するとともに、それぞれの要求レベルを段階的に示したものです。重要な項目から順に要求レベルを設定しながら、両者で非機能要求の確認を行うことができるツール群です。
ユーザと開発者で全ての非機能要求項目を一度に均一的に確認、評価することは現実的ではありません。また、非機能要求項目間には、実際にはある項目が規定されることで従属的にその実現レベルが決定できる項目もあります。そこで、非機能要求グレードでは、まず重要な非機能要求項目から段階的に受発注者間で要求レベルを確認します。
開発するシステムに最も近いモデルシステムを1つ選択
樹系図で全体を俯瞰し、グレード表でレベル値を決定
項目一覧で非機能要求項目の要求レベルを決定
非機能要求グレードを通じてIPAは次のような効果を期待しています。
2023年8月17日
「図1 機能/非機能要求の相違点と課題」について、「非機能要求」が「ビジネスに直結しない」との誤解を招く表現があったため、図を更新しました。