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システム構築の上流工程強化(非機能要求グレード)紹介ページ

本ページの情報は、2023年8月時点のものです。本事業は終了しているため、お問い合わせには対応できません。

本事業は、2009~2018年度に実施しました。

国民生活や社会経済活動における基盤となった情報システムは、「大規模化・複雑化」、「利用の広がり」の点からますます高度化しています。このような高度化に伴い、情報システムの安定的なサービスが求められるようになっており、複雑なシステムを構成する多様なコンポーネントがきちんと連携してそのようなサービスを提供する「システム基盤」の実現が重要になっています。そのためには、提供したいサービスに対応する要求を適切に定義する必要があります。

機能/非機能要求の相違点と課題

システム構築における要求には機能要求と非機能要求があります。このうち、非機能要求については、以下のような要件定義上の課題があります。

  • 図1 機能/非機能要求の相違点と課題

非機能要求グレードとは

「非機能要求グレード」は、「非機能要求」についてのユーザと開発者との認識の行き違いや、互いの意図とは異なる理解を防止することを目的とし、非機能要求項目を網羅的にリストアップして分類するとともに、それぞれの要求レベルを段階的に示したものです。重要な項目から順に要求レベルを設定しながら、両者で非機能要求の確認を行うことができるツール群です。

非機能要求グレード2018

非機能要求グレード2018本体(日本語版)
  1. 利用ガイド(利用編)…非機能要求グレードの利用方法の解説
  2. 利用ガイド(解説編)…非機能要求グレードの背景の解説
  3. グレード表…3つの典型モデルシステムとそれに対応する主な非機能要求項目の要求レベル
  4. 項目一覧…非機能要求項目の一覧
  5. 樹系図…非機能要求項目を6つの大項目ごとに階層的に示した図
  6. 活用シート…グレードと項目一覧をまとめたもので、プロジェクトに応じてカスタマイズ可
  7. 利用ガイド(活用編)…利用シーンに応じた事例により、非機能要求グレードを活用するヒントを提供
周辺資料
  1. 小冊子「経営に活かすIT投資の最適化」…非機能要求の用語を易しい言葉に置き換えて解説
  2. 各種 研修教材…非機能要求グレードの具体的な利用方法が体得できる、演習付きの教材

非機能要求グレード(初版)

  • 非機能要求グレード本体(英語版)
  • 非機能要求グレード本体(中国語版)
  • 周辺資料:活用事例集…非機能要求グレードの活用局面を事例としてまとめたもの

利用手順

ユーザと開発者で全ての非機能要求項目を一度に均一的に確認、評価することは現実的ではありません。また、非機能要求項目間には、実際にはある項目が規定されることで従属的にその実現レベルが決定できる項目もあります。そこで、非機能要求グレードでは、まず重要な非機能要求項目から段階的に受発注者間で要求レベルを確認します。

1.モデルシステムの選定

開発するシステムに最も近いモデルシステムを1つ選択

  • 1.モデルシステムの選定
2.重要項目のレベル決定

樹系図で全体を俯瞰し、グレード表でレベル値を決定

  • 2.重要項目のレベル決定
3.重要項目以外のレベル決定

項目一覧で非機能要求項目の要求レベルを決定

  • 3.重要項目以外のレベル決定

「非機能要求グレード」の効果

非機能要求グレードを通じてIPAは次のような効果を期待しています。

お客様(発注者)
  • 業務への情報システムの影響を明確に把握
  • 情報システムの安心・安全な利用や効率的利用
  • 情報システム費用の説明根拠の明確化
社会・IT業界
  • より安心・安全で便利な社会インフラが実現
  • 健全な業界構造と業界発展
    (受発注関係や責任の明確化)
開発ベンダ(受注者)
  • システム開発における手戻りコストの圧縮
  • システム運用におけるトラブル減少・削減

非機能要求グレード2018ダウンロード

各種研修教材

ユーザー企業の経営層向け非機能要求の読本「経営に活かすIT投資の最適化」

セミナー説明資料

非機能要求グレード本体(英語版)

非機能要求グレード本体(中国語版)

活用事例集

関連情報

更新履歴

  • 2023年8月17日

    「図1 機能/非機能要求の相違点と課題」について、「非機能要求」が「ビジネスに直結しない」との誤解を招く表現があったため、図を更新しました。