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脆弱性対策情報データベースJVN iPediaの登録状況 [2020年第3四半期(7月~9月)]

独立行政法人情報処理推進機構
最終更新日:2020年10月21日

1. 2020年第3四半期 脆弱性対策情報データベース JVN iPediaの登録状況

 脆弱性対策情報データベース「JVN iPedia( https://jvndb.jvn.jp/ )」は、ソフトウェア製品に関する脆弱性対策情報を2007年4月25日から日本語で公開しています。システム管理者が迅速に脆弱性対策を行えるよう、1)国内のソフトウェア開発者が公開した脆弱性対策情報、2)脆弱性対策情報ポータルサイトJVN(*1)で公表した脆弱性対策情報、3)米国国立標準技術研究所NIST(*2)の脆弱性データベース「NVD(*3)」が公開した脆弱性対策情報を集約、翻訳しています。

1-1. 脆弱性対策情報の登録状況

~脆弱性対策情報の登録件数の累計は123,965件~

 2020年第3四半期(2020年7月1日から9月30日まで)にJVN iPedia日本語版へ登録した脆弱性対策情報は下表の通りとなり、2007年4月25日にJVN iPediaの公開を開始してから本四半期までの脆弱性対策情報の登録件数の累計は、123,965件になりました(表1-1、図1-1)。
 また、JVN iPedia英語版へ登録した脆弱性対策情報は下表の通り、累計で2,188件になりました。

表1-1.2020年第3四半期の登録件数
  情報の収集元 登録件数 累計件数
日本語版 国内製品開発者 4 243
JVN 232 9,524
NVD 2,846 114,198
3,082 123,965
英語版 国内製品開発者 4 241
JVN 25 1,947
29 2,188

図1-1. JVN iPediaの登録件数の四半期別推移


2. JVN iPediaの登録データ分類

2-1. 脆弱性の種類別件数

 図2-1は、2020年第3四半期(7月~9月)にJVN iPediaへ登録した脆弱性対策情報を、共通脆弱性タイプ一覧(CWE)によって分類し、件数を集計したものです。

 集計結果は件数が多い順に、CWE-79(クロスサイトスクリプティング)が303件、CWE-269(不適切な権限管理)が268件、CWE-200(情報漏えい)が212件、CWE-20(不適切な入力確認)が176件、CWE-119(バッファエラー)が166件でした。
 最も件数の多かったCWE-79(クロスサイトスクリプティング)は、悪用されると偽のウェブページが表示されたり、情報が漏えいしたりするおそれがあります。

 製品開発者は、ソフトウェアの企画・設計段階から、脆弱性の低減に努めることが求められます。IPAではそのための資料やツールとして、開発者が実施すべき脆弱性対処をまとめた資料「脆弱性対処に向けた製品開発者向けガイド(*4)」、開発者や運営者がセキュリティを考慮したウェブサイトを作成するための資料「安全なウェブサイトの作り方 (*5)」や「IPAセキュア・プログラミング講座(*6)」、脆弱性の仕組みを実習形式や演習機能で学ぶことができる脆弱性体験学習ツール「AppGoat(*7)」などを公開しています。

2-2. 脆弱性に関する深刻度別割合

 図2-2はJVN iPediaに登録済みの脆弱性対策情報をCVSSv2の値に基づいて深刻度別に分類し、登録年別にその推移を示したものです。

 2020年にJVN iPediaに登録した脆弱性対策情報は深刻度別に、レベルIIIが全体の24.0%、レベルIIが61.7%、レベルIが14.3%となっており、情報の漏えいや改ざんされるような危険度が高い脅威であるレベルII以上が85.7%を占めています。

 図2-3はJVN iPediaに登録済みの脆弱性対策情報をCVSSv3の値に基づいて深刻度別に分類し、登録年別にその推移を示したものです。

 2020年にJVN iPediaに登録した脆弱性対策情報は深刻度別に、「緊急」が全体の15.5%、「重要」が42.1%、「警告」が40.4%、「注意」が2.0%となっています。

 既知の脆弱性による脅威を回避するため、製品開発者は常日頃から新たに報告される脆弱性対策情報に注意を払うと共に、脆弱性が解消されている製品へのバージョンアップやアップデートなどを速やかに行ってください。

 なお、新たに登録したJVN iPediaの情報を、RSS形式やXML形式(*8) で公開しています。

2-3. 脆弱性対策情報を公開した製品の種類別件数

 図2-4はJVN iPediaに登録済みの脆弱性対策情報をソフトウェア製品の種類別に件数を集計し、年次でその推移を示したものです。2020年で最も多い種別は「アプリケーション」に関する脆弱性対策情報で、2020年の件数全件の約68.4%(8,126件/全11,879件)を占めています。

 図2-5は重要インフラなどで利用される、産業用制御システムに関する脆弱性対策情報の件数を集計し、年次でその推移を示したものです。これまでに累計で2,758件を登録しています。

2-4. 脆弱性対策情報の製品別登録状況

 表2-1は2020年第3四半期(7月~9月)にJJVN iPediaへ登録された脆弱性対策情報の中で登録件数が多かった製品の上位20件を示したものです。

 本四半期において最も登録件数が多かった製品は前四半期から引き続き、Microsoft Windows 10となりました。2位以降も同社製品であるWindows OSが多くランクインされています。

 JVN iPediaは、表に記載されている製品以外にも幅広い脆弱性対策情報を登録公開しています。製品の利用者や開発者は、自組織などで使用しているソフトウェアの脆弱性対策情報を迅速に入手し、効率的な対策に役立ててください(*9)

表2-1. 製品別JVN iPediaの脆弱性対策情報登録件数 上位20件 [2020年7月~2020年9月]
順位カテゴリ製品名(ベンダ名)登録件数
1 OS Microsoft Windows 10 (マイクロソフト) 261
2 OS Microsoft Windows Server (マイクロソフト) 243
3 OS Microsoft Windows Server 2019 (マイクロソフト) 224
4 OS Microsoft Windows Server 2016 (マイクロソフト) 187
5 OS Android (Google) 140
6 OS Microsoft Windows 8.1 (マイクロソフト) 129
6 OS Microsoft Windows RT 8.1 (マイクロソフト) 129
8 OS Microsoft Windows Server 2012 (マイクロソフト) 126
9 OS Microsoft Windows 7 (マイクロソフト) 113
10 OS Microsoft Windows Server 2008 (マイクロソフト) 108
11 PDF閲覧・編集 Adobe Acrobat (アドビシステムズ) 50
11 PDF閲覧・編集 Adobe Acrobat DC (アドビシステムズ) 50
11 PDF閲覧 Adobe Acrobat Reader DC (アドビシステムズ) 50
14 ファームウェア Qualcomm component (クアルコム) 49
15 OS iOS (アップル) 42
15 OS iPadOS (アップル) 42
17 OS Apple Mac OS X (アップル) 41
18 サーバ管理ソフトウェア CentOS Web Panel (CentOS Web Panel) 39
19 ファイル・情報共有ソフトウェア Microsoft SharePoint Server (マイクロソフト) 35
20 ファイル・情報共有ソフトウェア Microsoft SharePoint Enterprise Server (マイクロソフト) 34

3. 脆弱性対策情報の活用状況

 表3-1は2020年第3四半期(7月~9月)にアクセスの多かったJVN iPediaの脆弱性対策情報の上位20件を示したものです。

 本四半期の1 位は2014 年に公開したphpMyAdmin に関する脆弱性対策情報でした。なお、これは特定の組織から機械的と思われる多くのアクセスがあったためです。また、上位20 件のうち、6 件(8 位、12 位、13 位、15 位、18 位、19 位)が日立製品に関する脆弱性対策情報でした。こうした製品は国内での利用者が多く注目を集めるため、該当するページへのアクセス数が増加する傾向にあります。

表3-1.JVN iPediaの脆弱性対策情報へのアクセス 上位20件 [2020年7月~2020年9月]
順位IDタイトルCVSSv2
基本値
CVSSv3
基本値
公開日アクセス数
1 JVNDB-2014-003893 phpMyAdmin におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 3.5 なし 2014/8/25 7,058
2 JVNDB-2020-000043 Android アプリ「メルカリ」 (日本版) において Java オブジェクトの任意のメソッドが実行可能な脆弱性 5.1 5.0 2020/7/8 6,778
3 JVNDB-2020-000046 WordPress 用プラグイン Social Sharing Plugin におけるクロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性 2.6 4.3 2020/7/22 6,741
4 JVNDB-2020-006469 三菱電機製 GOT2000 シリーズの TCP/IP 機能における複数の脆弱性 なし 9.8 2020/07/09 6,651
5 JVNDB-2020-000049 トヨタ自動車製 Global TechStream (GTS) におけるバッファオーバーフローの脆弱性 4.4 4.1 2020/7/29 6,613
6 JVNDB-2020-000052 SKYSEA Client View に権限昇格の脆弱性 6.8 7.8 2020/8/3 6,594
7 JVNDB-2020-000045 SHIRASAGI におけるオープンリダイレクトの脆弱性 4.3 4.7 2020/7/9 6,476
8 JVNDB-2020-006586 Hitachi Ops Center Analyzer viewpoint における Server Side Request Forgery の脆弱性 なし なし 2020/7/13 6,072
9 JVNDB-2020-000051 複数の PHP工房製品における複数の脆弱性 4.0 4.8 2020/7/31 5,910
10 JVNDB-2020-000050 Fanuc i Series CNC におけるサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性 3.3 4.3 2020/7/31 5,904
11 JVNDB-2020-000047 JavaFX の WebEngine コンポーネントに任意の Java メソッド実行が可能になる脆弱性 6.8 8.8 2020/7/28 5,833
12 JVNDB-2020-006617 Hitachi Infrastructure Analytics Advisor および Hitachi Ops Center Analyzer におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 なし なし 2020/7/14 5,741
13 JVNDB-2020-006031 Hitachi Device Manager における DoS 脆弱性 なし なし 2020/6/29 5,637
14 JVNDB-2020-000040 Chrome拡張機能e-Tax受付システムAP において任意のコマンドが実行可能な脆弱性 5.1 5.0 2020/6/24 5,359
15 JVNDB-2020-007128 HiRDB における DoS 脆弱性 なし なし 2020/8/3 5,239
16 JVNDB-2020-000042 サイボウズ Garoon に複数の脆弱性 5.5 8.5 2020/6/29 5,235
17 JVNDB-2020-005854 三菱電機製 MELSEC iQ-R、iQ-F、Q、L、FX シリーズの CPU ユニットと GX Works3 および GX Works2 間の通信が平文で行われている脆弱性 なし 10.0 2020/6/24 5,126
18 JVNDB-2020-007127 Hitachi Command Suite 製品、Hitachi Automation Director、Hitachi Configuration Manager、Hitachi Infrastructure Analytics Advisor および Hitachi Ops Center 製品における複数の脆弱性 なし なし 2020/8/3 5,105
19 JVNDB-2020-005743 Cosminexus HTTP Server における脆弱性 なし なし 2020/6/22 5,063
20 JVNDB-2020-000057 スマートフォンアプリ「ニトリアプリ」におけるアクセス制限不備の脆弱性 4.3 4.3 2020/08/26 5,019

 表3-2は国内の製品開発者から収集した脆弱性対策情報でアクセスの多かった上位5件を示しています。

表3-2.国内の製品開発者から収集した脆弱性対策情報へのアクセス 上位5件[2020年7月~2020年9月]
順位IDタイトルCVSSv2
基本値
CVSSv3
基本値
公開日アクセス数
1 JVNDB-2020-006586 Hitachi Ops Center Analyzer viewpoint における Server Side Request Forgery の脆弱性 なし なし 2020/7/13 6,072
2 JVNDB-2020-006617 Hitachi Infrastructure Analytics Advisor および Hitachi Ops Center Analyzer におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 なし なし 2020/7/14 5,741
3 JVNDB-2020-006031 Hitachi Device Manager における DoS 脆弱性 なし なし 2020/6/29 5,637
4 JVNDB-2020-007128 HiRDB における DoS 脆弱性 なし なし 2020/8/3 5,239
5 JVNDB-2020-007127 Hitachi Command Suite 製品、Hitachi Automation Director、Hitachi Configuration Manager、Hitachi Infrastructure Analytics Advisor および Hitachi Ops Center 製品における複数の脆弱性 なし なし 2020/8/3 5,105

注1) CVSSv2基本値の深刻度による色分け

CVSS基本値 = 0.0~3.9
深刻度=レベルI(注意)
CVSS基本値 = 4.0~6.9
深刻度=レベルII(警告)
CVSS基本値 = 7.0~10.0
深刻度=レベルIII(危険)

注2) CVSSv3基本値の深刻度による色分け

CVSS基本値 = 0.1~3.9
深刻度=注意
CVSS基本値 = 4.0~6.9
深刻度=警告
CVSS基本値 = 7.0~8.9
深刻度=重要
CVSS基本値 = 9.0~10.0
深刻度=緊急

注3) 公開日の年による色分け

2018年以前の公開 2019年の公開 2020年の公開

脚注

(*1) Japan Vulnerability Notes:脆弱性対策情報ポータルサイト。製品開発者の脆弱性への対応状況を公開し、システムのセキュリティ対策を支援しています。IPA、JPCERT/CCが共同で運営しています。
https://jvn.jp/別ウィンドウで開く

(*2) National Institute of Standards and Technology:米国国立標準技術研究所。米国の科学技術分野における計測と標準に関する研究を行う機関。
https://www.nist.gov/別ウィンドウで開く

(*3) National Vulnerability Database:NISTが運営する脆弱性データベース。
https://nvd.nist.gov別ウィンドウで開く

(*4) IPA:「脆弱性対処に向けた製品開発者向けガイド」
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/report/notice/guideforvendor.html

(*5) IPA:「安全なウェブサイトの作り方」
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity.html

(*6) IPA:「IPA セキュア・プログラミング講座」
https://www.ipa.go.jp/security/awareness/vendor/programming/

(*7) IPA:「脆弱性体験学習ツール AppGoat」
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/appgoat/

(*8) IPA:「JVN iPedia データフィード」
https://jvndb.jvn.jp/ja/feed/

(*9) IPA:「脆弱性対策の効果的な進め方(実践編)」
https://www.ipa.go.jp/security/technicalwatch/20150331.html

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