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「2018年度情報セキュリティに対する意識調査」報告書について

公開日:2018年12月11日
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター セキュリティ対策推進部

本ページの情報は2018年12月11日時点のものです。お問い合わせには対応しておりません。


様々なサービスがオンライン化され、スマートフォン(以下、スマホ)の世帯保有率も75.1%(*1)となるなど、多くの人がインターネットを生活の一部として利用しています。一方、インターネットサービス利用者の金銭や情報の詐取を狙い、その手口も巧妙化の一途をたどっています。その結果、利用者が思わぬトラブルや犯罪に巻き込まれるケースも少なくありません。そのため、利用者は身近な脅威や手口について理解し、適切な対策による自衛が望まれます。

今年で17回目となる本調査では、パソコン(以下、PC)およびスマートデバイス(以下、SD)でのインターネット利用者を対象に、情報セキュリティ対策の実施状況、SNS投稿時の意識、法令遵守に関する意識などについて集計しています。調査結果の主なポイントは以下のとおりです。

 
(*1)
総務省 平成30年版情報通信白書 情報通信機器の保有状況
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252110.html

調査結果のポイント

(1)
「歩きスマホ」経験の割合は20代60.3%、30代61.6%。平均49.8%より10ポイント超高い

10代の「歩きスマホ」の経験者は57.1%と、20代、30代に次ぐ高さ。一方、約半数は「歩きスマホ」の経験は無いと回答。

(2018年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査 P174)

図1.スマートデバイスの画面を見ながら街中や公共の施設内などを歩いた(歩きスマホをした)ことがある回答割合
図1.「スマートデバイスの画面を見ながら街中や公共の施設内などを
歩いた(歩きスマホをした)ことがある」回答割合
(2)

「歩きスマホ」の理由として「注意していれば事故に繋がることはない」と回答した割合は30代が最も多く、約4割(39.5%)

これに次いで高いのは20代38.0%、10代37.8%と続き、平均は33.6%。「歩きスマホ」は視野狭窄、注意力散漫などの結果、周囲への十分な注意が困難となるといった実験結果もある(*2)。「歩きスマホ」による前方不注意に対するリスク意識が低く、「歩きスマホ」を行なっていても、注意が十分に払われていると慢心している可能性がうかがえる。

(2018年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査 P176)

図2.注意していれば事故に繋がることはないから回答割合
図2.「注意していれば事故に繋がることはないから」回答割合
(3)
「歩きスマホ」をしない理由として「注意していても事故につながる恐れがあるから」と回答した20代は25.8%と平均40.2%より約15%も低い

加えて、「他人に迷惑をかけてしまうから」と回答した割合でも20代が38.2%と最も低く、平均値53.6%と15%超の乖離。20代の「歩きスマホ」に対する問題意識が顕著に低い。ただし、10代、30代の意識も平均値より5ポイント程度低く、若い世代の意識は総じて低い。

(2018年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査 P177)

図3.注注意していても事故に繋がる恐れがあるから回答割合
図3.「注意していても事故に繋がる恐れがあるから」回答割合
(4)
「歩きスマホで行なっていたこと」は現在位置確認82.1%、目的地情報の確認43.4%、時計や鏡などの代わり41.7%

一方、ニュースのチェック19.6%、SNSやブログ13.4%、動画コンテンツ3.4%で、巷で指摘されているような画面を一定時間凝視する「歩きスマホ」に繋がる行為の割合は総じて低かった。

(2018年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査 P175)

(5)
クレジットカード、パスポート情報が漏えいした場合のサービス提供側の補償額を50,001円以上と考える割合が4割超と最多

氏名と住所や電話番号などの連絡先情報の保証額も50,001円以上と考える割合が最多(PC:37.5%、SD:41.6%)。一方で、既往歴や健康診断の結果などの情報は補償不要(0円)と考える割合が最多(PC:31.2%、SD:31.9%)。個人に関する情報でも、本人特定が難しい情報であれば寛容に受け止める利用者が多いと考えられる。

(2018年度 情報セキュリティの脅威に対する意識調査 P46およびP108)

 
(*2)
「歩行中・自転車運転中の“ながらスマホ”時の視線計測と危険性の考察」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/essfr/10/2/10_129/_pdf/-char/ja

調査概要

(1) 調査方法
ウェブアンケート
(2) 調査対象
13歳以上のパソコンおよびスマートデバイスのインターネット利用者
(3) 調査期間
情報セキュリティの倫理に対する意識調査:2018年9月20日~9月28日
情報セキュリティの脅威に対する意識調査:2018年9月27日~10月10日
(4) 有効回答数
パソコン:5,000人
スマートデバイス:5,000人

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「2018年度情報セキュリティの倫理に対する意識調査」報告書
「2018年度情報セキュリティの脅威に対する意識調査」報告書

報告書 目次

「2018年度情報セキュリティの倫理に対する意識調査」報告書
1. 調査概要
2. 回答者属性
3. 調査結果概要
4. 調査結果詳細【パソコン調査】
4-1. インターネットや情報に関する倫理教育に関する経験
4-2. インターネットサービスの利用状況
4-3. インターネットへの情報発信
4-4. インターネットにおける個人情報の取扱い
4-5. インターネットサービス利用時の問題行為・留意点
4-6. 公共の場所でのパソコンの利用状況
5. 調査結果詳細【スマートデバイス調査】
5-1. インターネットや情報に関する倫理教育に関する経験
5-2. インターネットサービスの利用状況
5-3. インターネットへの情報発信
5-4. インターネットにおける個人情報の取扱い
5-5. インターネットサービス利用時の問題行為・留意点
5-6. 公共の場所でのスマートデバイスの利用状況
「2018年度情報セキュリティの脅威に対する意識調査」報告書
1. 調査概要
2. 回答者属性
3. 調査結果概要
4. 調査結果詳細【パソコン調査】
4-1. インターネットサービスの利用状況
4-2. インターネット利用時の脅威や被害
4-3. アカウントの管理方法
4-4. セキュリティ対策の実施状況
4-5. インターネットバンキング利用時のセキュリティ対策
4-6. 情報セキュリティに関する情報収集
5. 調査結果詳細【スマートデバイス調査】
5-1. インターネットサービスの利用状況
5-2. インターネット利用時の脅威や被害
5-3. アカウントの管理方法
5-4. セキュリティ対策の実施状況
5-5. スマートデバイスの利用状況
5-6. 情報セキュリティに関する情報収集
6.Appendix:インターネット依存度について

実施者

本件に関するお問い合わせ先

IPA セキュリティセンター セキュリティ対策推進部 野澤
TEL:03-5978-7530 FAX:03-5978-7514 E-mail:

更新履歴

2018年12月11日 公開