最終更新日:2013年3月28日
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター
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サービスや製品の規模や利用形態の複雑さが増すにつれ、ソフトウェアの品質に問題が生じた場合の原因究明には時間がかかり、サービスや製品を利用する国民に及ぼす経済的損失や社会的影響などの発生リスクは増えていきます。
このようなリスクを抑制するためには、ソフトウェアの品質向上を図る必要があり、様々な取組みがされてきました。その中でもとりわけ形式手法(脚注1)は、数学的に厳密な仕様を記述し検証することができるため、曖昧さや抜けを防ぐ、実装の間違いを見つけ出す、といった利点があり、高い安全性を要求される製品に関連する国際規格である、IEC 61508(脚注2) 及び自動車業界に対するISO 26262(脚注3)でも、形式手法の適用が推奨されています。
とかく形式手法は難しいという開発現場の認識を変えるべく、現場のソフトウェア開発従事者が特に上流工程で苦労している部分への効果を理解できるように、形式手法の現場導入で得られた実践的な知見と、セミナーからのフィードバックを反映したものです。
教材の「実践法:モデル化の手順と事例」、「実践法:モデ化の課題例」では形式手法を活用する具体的手順と課題を説明しており、その部分の副読本としての位置づけになります。教材と副読本を効果的に活用していただけるように、シラバスの強化も行いました。
開発ライフサイクルの上流における仕様書についての厳密な定義及び記述に対する入門書として位置づけています。この入門書は、形式手法をベースとして記述していますが、日本語による仕様書記述においても役立つ内容となっています。
仕様記述における形式手法導入の成功プロジェクトのキーパーソンに対し、「仕様書作成に係る諸問題の根本原因が何か」、「それを形式手法の活用によりどう解決したか」などのヒアリング調査を実施しました。
欧州を中心に海外調査を行い、形式手法を適用した海外のプロジェクト104件の中から12件の事例、および形式手法ツールベンダの調査結果等について、とりまとめました。