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情報セキュリティ

脆弱性対策情報データベースJVN iPediaの登録状況 [2019年第1四半期(1月~3月)]

独立行政法人情報処理推進機構
最終更新日:2019年4月24日

1. 2019年第1四半期 脆弱性対策情報データベース JVN iPediaの登録状況

 脆弱性対策情報データベース「JVN iPedia( https://jvndb.jvn.jp/ )」は、ソフトウェア製品に関する脆弱性対策情報を2007年4月25日から日本語で公開しています。システム管理者が迅速に脆弱性対策を行えるよう、1)国内のソフトウェア開発者が公開した脆弱性対策情報、2)脆弱性対策情報ポータルサイトJVN(*1)で公表した脆弱性対策情報、3)米国国立標準技術研究所NIST(*2)の脆弱性データベース「NVD(*3)」が公開した脆弱性対策情報を集約、翻訳しています。

1-1. 脆弱性対策情報の登録状況

~脆弱性対策情報の登録件数の累計は97,444件~

 2019年第1四半期(2019年1月1日から3月31日まで)にJVN iPedia日本語版へ登録した脆弱性対策情報は下表の通りとなり、脆弱性対策情報の登録件数の累計は、97,444件になりました(表1-1、図1-1)。
 また、JVN iPedia英語版へ登録した脆弱性対策情報は下表の通り、累計で2,018件になりました。

表1-1.2019年第1四半期の登録件数
  情報の収集元 登録件数 累計件数
日本語版 国内製品開発者 3 213
JVN 76 8,347
NVD 4,691 88,884
4,770 97,444
英語版 国内製品開発者 3 213
JVN 18 1,805
21 2,018

図1-1. JVN iPediaの登録件数の四半期別推移

2. JVN iPediaの登録データ分類

2-1. 脆弱性の種類別件数

 図2-1は、2019年第1四半期(1月~3月)にJVN iPediaへ登録した脆弱性対策情報を、共通脆弱性タイプ一覧(CWE)によって分類し、件数を集計したものです。

 集計結果は件数が多い順に、CWE-79(クロスサイトスクリプティング)が617件、CWE-20(不適切な入力確認)が430件、CWE-119(バッファエラー)が407件、CWE-200(情報漏えい)が317件、CWE-284(不適切なアクセス制御)が311件でした。
 最も件数の多かったCWE-79(クロスサイトスクリプティング)は、悪用されると偽のウェブページが表示されたり、情報が漏えいしたりする可能性があります。

 製品開発者は、ソフトウェアの企画・設計段階から、脆弱性の低減に努めることが求められます。IPAではそのための資料やツールとして、開発者や運営者がセキュリティを考慮したウェブサイトを作成するための資料「安全なウェブサイトの作り方 (*4)」や、「IPAセキュア・プログラミング講座(*5)」、脆弱性の仕組みを実習形式や演習機能で学ぶことができる脆弱性体験学習ツール「AppGoat(*6)」などを公開しています。

2-2. 脆弱性に関する深刻度別割合

 図2-2はJVN iPediaに登録済みの脆弱性対策情報をCVSSv2の値に基づいて深刻度別に分類し、登録年別にその推移を示したものです。

 2019年にJVN iPediaに登録した脆弱性対策情報は深刻度別に、レベルIIIが全体の24.2%、レベルIIが64.3%、レベルIが11.5%となっており、情報の漏えいや改ざんされるような危険度が高い脅威であるレベルII以上が88.5%を占めています。

 図2-3はJVN iPediaに登録済みの脆弱性対策情報をCVSSv3の値に基づいて深刻度別に分類し、登録年別にその推移を示したものです。

 2019年にJVN iPediaに登録した脆弱性対策情報は深刻度別に、「緊急」が全体の15.3%、「重要」が42.3%、「警告」が41.5%、「注意」が0.9%となっています。

 既知の脆弱性による脅威を回避するため、製品開発者は常日頃から新たに報告される脆弱性対策情報に注意を払うと共に、脆弱性が解消されている製品へのバージョンアップやアップデートなどを速やかに行ってください。

 なお、新たに登録したJVN iPediaの情報を、RSS形式やXML形式(*7) で公開しています。

2-3. 脆弱性対策情報を公開した製品の種類別件数

 図2-4はJVN iPediaに登録済みの脆弱性対策情報をソフトウェア製品の種類別に件数を集計し、年次でその推移を示したものです。2019年で最も多い種別は「アプリケーション」に関する脆弱性対策情報で、2019年の件数全件の約75.9%(3,621件/全4,770件)を占めています。

 図2-5は重要インフラなどで利用される、産業用制御システムに関する脆弱性対策情報の件数を集計し、年次でその推移を示したものです。これまでに累計で1,831件を登録しています。

2-4. 脆弱性対策情報の製品別登録状況

 表2-1は2019年第1四半期(1月~3月)にJVN iPediaへ登録された脆弱性対策情報の中で登録件数が多かった製品の上位20件を示したものです。

 本四半期において最も登録件数が多かった製品は、前四半期(2018年第4四半期)から引き続き、Debian GNU/Linuxとなりました。なお、Debian GNU/Linuxの登録件数が継続して多い要因として、Debian GNU/Linuxが、OSと5万件以上のソフトウェアパッケージを統合して提供しており、そのパッケージに発見された脆弱性の修正にあわせて、Debian GNU/Linux側も修正を行うためと考えられます(*8)

 JVN iPediaは、表に記載されている製品以外にも幅広い脆弱性対策情報を登録公開しています。製品の利用者や開発者は、自組織などで使用しているソフトウェアの脆弱性対策情報を迅速に入手し、効率的な対策に役立ててください(*9)

表2-1. 製品別JVN iPediaの脆弱性対策情報登録件数 上位20件 [2019年1月~2019年3月]
順位カテゴリ製品名(ベンダ名)登録件数
1 OS Debian GNU/Linux (Debian) 401
2 OS Red Hat Enterprise Linux Server (レッドハット) 246
3 OS Red Hat Enterprise Linux Workstation
(レッドハット)
237
4 OS Red Hat Enterprise Linux Desktop
(レッドハット)
236
5 ブラウザ Google Chrome (Google) 203
6 OS Ubuntu (Canonical) 186
7 OS Android (Google) 167
8 ファームウェア Qualcomm firmware (クアルコム)(*10) 113
9 PDF閲覧 Foxit Reader (Foxit Software Inc) 108
10 PDF閲覧・編集 Foxit PhantomPDF (Foxit Software Inc) 94
11 PDF閲覧・編集 Adobe Acrobat (アドビシステムズ) 92
11 PDF閲覧 Adobe Acrobat Reader DC (アドビシステムズ) 92
11 PDF閲覧・編集 Adobe Acrobat DC (アドビシステムズ) 92
14 OS Microsoft Windows 10 (マイクロソフト) 44
14 OS Microsoft Windows Server (マイクロソフト) 44
16 ビデオ監視ソフトウェア ZoneMinder (ZoneMinder) 41
17 OS Microsoft Windows Server 2019 (マイクロソフト) 39
18 OS Microsoft Windows Server 2016 (マイクロソフト) 38
19 ブラウザ Mozilla Firefox (Mozilla Foundation) 36
20 OS Linux Kernel (Kernel.org) 33

3. 脆弱性対策情報の活用状況

 表3-1は2019年第1四半期(1月~3月)にアクセスの多かったJVN iPediaの脆弱性対策情報の上位20件を示したものです。

 本四半期で上位にランクインした脆弱性対策情報の内、4件(3位、6位、9位、13位)が国内製品開発者から収集した脆弱性対策情報で、それら4件と5位を除いた15件が脆弱性対策情報ポータルサイトJVNで公開した脆弱性対策情報です。こうした脆弱性対策情報に登録される製品は、国内での利用者が多く、注目を集めるため、該当するページへのアクセス数が増加する傾向にあります。

表3-1.JVN iPediaの脆弱性対策情報へのアクセス 上位20件 [2019年1月~2019年3月]
順位IDタイトルCVSSv2
基本値
CVSSv3
基本値
公開日アクセス数
1 JVNDB-2019-000001 WordPress 用 プラグイン spam-byebye におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 2.6 6.1 2019/1/10 6,672
2 JVNDB-2018-000137 GROWI におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 4.0 5.4 2018/12/26 6,548
3 JVNDB-2018-010851 Hitachi Automation Director におけるクリックジャッキングの脆弱性 4.3 4.3 2018/12/26 6,379
4 JVNDB-2019-000003 iOS アプリ「HOUSE GATE」におけるディレクトリトラバーサルの脆弱性 4.3 4.7 2019/1/24 6,354
5 JVNDB-2014-007972 OpenKM におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 3.5 なし 2015/3/13 5,978
6 JVNDB-2019-001095 Hitachi Device Manager におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 4.0 4.7 2019/1/22 5,717
7 JVNDB-2018-000135 WordPress 用プラグイン Google XML Sitemaps におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 4.0 4.8 2018/12/25 5,495
8 JVNDB-2018-000134 PgpoolAdmin におけるアクセス制限不備の脆弱性 7.5 9.8 2018/12/21 5,448
9 JVNDB-2019-001094 Hitachi Command Suite 製品および Hitachi Infrastructure Analytics Advisor における情報露出の脆弱性 5.0 5.3 2019/1/22 5,420
10 JVNDB-2018-000136 マッピングツールのインストーラにおける DLL 読み込みに関する脆弱性 6.8 7.8 2018/12/25 5,237
11 JVNDB-2018-000133 cordova-plugin-ionic-webview におけるパストラバーサルの脆弱性 4.3 4.7 2018/12/21 5,199
12 JVNDB-2019-000006 POWER EGG において任意の EL 式を実行される脆弱性 7.5 7.3 2019/2/5 5,041
13 JVNDB-2018-010027 JP1/Operations Analytics におけるディレクトリパーミッションの問題 3.5 4.9 2018/12/4 5,009
14 JVNDB-2018-000129 i-FILTER における複数の脆弱性 4.3 6.1 2018/12/7 4,992
15 JVNDB-2018-000132 東芝ライテック製ホームゲートウェイにおける複数の脆弱性 8.3 8.8 2018/12/19 4,890
16 JVNDB-2018-000001 Lhaplus の ZIP64 形式のファイル展開における検証不備の脆弱性 4.3 3.3 2018/1/11 4,801
17 JVNDB-2019-000010 azure-umqtt-c におけるサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性 5.0 7.5 2019/2/20 4,759
18 JVNDB-2019-000004 UNLHA32.DLL、UNARJ32.DLL、LHMelting および LMLzh32.DLL における DLL 読み込みに関する脆弱性 6.8 7.8 2019/1/31 4,699
19 JVNDB-2018-000124 RICOH Interactive Whiteboard における複数の脆弱性 10.0 9.8 2018/11/27 4,666
20 JVNDB-2018-000131 Aterm WF1200CR および Aterm WG1200CR における複数の脆弱性 5.8 8.8 2018/12/14 4,662

 表3-2は国内の製品開発者から収集した脆弱性対策情報でアクセスの多かった上位5件を示しています。

表3-2.国内の製品開発者から収集した脆弱性対策情報へのアクセス 上位5件 [2019年1月~2019年3月]
順位IDタイトルCVSSv2
基本値
CVSSv3
基本値
公開日アクセス数
1 JVNDB-2018-010851 Hitachi Automation Director におけるクリックジャッキングの脆弱性 4.3 4.3 2018/12/26 6,379
2 JVNDB-2019-001095 Hitachi Device Manager におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 4.0 4.7 2019/1/22 5,717
3 JVNDB-2019-001094 Hitachi Command Suite 製品および Hitachi Infrastructure Analytics Advisor における情報露出の脆弱性 5.0 5.3 2019/1/22 5,420
4 JVNDB-2018-010027 JP1/Operations Analytics におけるディレクトリパーミッションの問題 3.5 4.9 2018/12/4 5,009
5 JVNDB-2018-009328 JP1/VERITAS 製品における複数の脆弱性 10.0 9.8 2018/11/15 4,521

注1) CVSSv2基本値の深刻度による色分け

CVSS基本値 = 0.0~3.9
深刻度=レベルI(注意)
CVSS基本値 = 4.0~6.9
深刻度=レベルII(警告)
CVSS基本値 = 7.0~10.0
深刻度=レベルIII(危険)

注2) CVSSv3基本値の深刻度による色分け

CVSS基本値 = 0.1~3.9
深刻度=注意
CVSS基本値 = 4.0~6.9
深刻度=警告
CVSS基本値 = 7.0~8.9
深刻度=重要
CVSS基本値 = 9.0~10.0
深刻度=緊急

注3) 公開日の年による色分け

2017年以前の公開 2018年の公開 2019年の公開

脚注

(*1) Japan Vulnerability Notes:脆弱性対策情報ポータルサイト。製品開発者の脆弱性への対応状況を公開し、システムのセキュリティ対策を支援しています。IPA、JPCERT/CCが共同で運営しています。
https://jvn.jp/別ウィンドウで開く

(*2) National Institute of Standards and Technology:米国国立標準技術研究所。米国の科学技術分野における計測と標準に関する研究を行う機関。
https://www.nist.gov/別ウィンドウで開く

(*3) National Vulnerability Database:NISTが運営する脆弱性データベース。
https://nvd.nist.gov別ウィンドウで開く

(*4) IPA:「安全なウェブサイトの作り方」
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity.html

(*5) IPA:「IPA セキュア・プログラミング講座」
https://www.ipa.go.jp/security/awareness/vendor/programming/

(*6) IPA:脆弱性体験学習ツール 「AppGoat」
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/appgoat/

(*7) データフィード
https://jvndb.jvn.jp/ja/feed/

(*8) Debian について
https://www.debian.org/intro/about.ja.html別ウィンドウで開く

(*9) 脆弱性情報の収集や集めた情報の活用方法についての手引きをまとめたレポート「脆弱性対策の効果的な進め方(実践編)」を公開。
https://www.ipa.go.jp/security/technicalwatch/20150331.html

(*10) SD系やMSM系などのクアルコム製プロセッサのファームウェアを1つのファームウェアとして取扱い、集計。

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参考情報

本件に関するお問い合わせ先

IPA セキュリティセンター 渡邉/大友
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