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システム構築の要件定義に役立つポイント集

2018年3月27日公開
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア高信頼化センター

概要

 独立行政法人情報処理推進機構 ソフトウェア高信頼化センター(以下、IPA/SEC)は3月27日、システム構築における要件定義のポイントを、家づくりと対比させながら紹介する小冊子、「家づくりで理解する要求明確化の勘どころ ~システム構築を成功させる要件定義のポイント~」(以下、本小冊子)を公開しました。

背景

 昨今のITシステムは、オフィス業務の効率化だけでなく、経営やビジネスの意思決定に貢献することが求められています。しかし、現在のITシステム構築プロジェクトの要件定義は、作業効率や操作性の向上を目的とした要件検討に終始し、経営方針やビジネスの視点が置き去りになっているのが現状です。

 また、様々な業務でIT化が進む状況においては、システム仕様が複雑化し、利用者からの要求は膨らんでいます。さらに、新たなシステムのイメージが明確になると、様々な追加要求が挙げられます。

 限られた工期と予算で利用者からの要求を最大限に実現するためには、必要不可欠な要求を判断し、優先度の低い要求をスコープ外にするなどの調整が必要です。しかし、実際の企業では、「声の大きい部門の要求が通る」といったことがまかり通っています。また、IT部門は技術的な側面を重視する傾向が強く、「技術的に可能か否か」の視点で要件の優先順位を決める傾向がありました。

 そうした状況下、IPA/SECでは、2017年3月に「SEC BOOKS ユーザのための要件定義ガイド」(以下、要件定義ガイド)を公開し、こうした課題を解決するヒントを紹介しました。その際、「要件定義初心者に向け、ポイントをより簡潔にまとめた小冊子がほしい」との要望がありました。

本書の概要と使い方

 今回刊行公開した本小冊子は、システム構築の現場において、「要件定義」の実務経験が浅い担当者を対象にしたものです。システム構築の「要件定義」を成功させるためのポイントを家づくりと対比させ、「どのフェーズで」「どのようなポイントを考慮し」「何を優先させて」決定していくかをわかりやすく解説しています。本書の特徴は、以下のとおりです。

 ■経験の浅い現場担当者にも読みやすく、マネージャ層とのコミュニケーションツールとして活用できる。

 ■要件定義のプロセスを順を追って紹介しているため、「どのプロセスで」「何を実施すべきか」が理解できる。

 ■様々な要求に対し、「どのような観点から必要/不必要を判断するか」をわかりやすく解説している。

 ■要件定義ガイドのエッセンスが凝縮されているので、現場で迷ったときの手引書として活用できる。

読者対象

  • 要件定義の実務経験が浅く、これから実務を任されることが想定されるユーザ企業の現場担当者
  • ITシステム構築の要件定義を計画しているマネジメント層

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