書籍・刊行物
ディープラーニングを起爆剤として、AIはその技術や利用が急速に進展しつつあり、産業や社会の様々な場面に大きな影響を与えることが予想されています。
そこで情報処理技術の利活用を促進するIPAでは、正しい技術の理解と利用を促すため、AIにおける産学の第一線の有識者7名で構成される編集委員会や多くの執筆委員の協力を得て、「AI白書2017」を7月20日に刊行しました。本書では、AIの技術動向の現在と未来、利活用事例、AI関連の制度的課題、国内外の政策など、AIに関連した多様な動向を総合的に解説しています。
編集委員7名は、次のとおりです。
中島 秀之
東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 特任教授
浅田 稔
大阪大学 大学院工学研究科 知能・機能創成工学専攻 教授
川上 量生
株式会社ドワンゴ 代表取締役会長
北野 宏明
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長
喜連川 優
国立情報学研究所 所長、東京大学生産技術研究所 教授
辻井 潤一
国立研究開発法人産業技術総合研究所 フェロー 人工知能研究センター長
松尾 豊
東京大学 大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 特任准教授
また、企業経営における第一人者による寄稿も掲載しています。
本書が、AIへの正しい理解と適切な利活用の進展、および日本発のイノベーション、新たなビジネス創出などによる、産業の活性化に寄与することを期待しています。
ディープラーニングの進展で人間を上回る音声・画像認識等が達成されたことは、AIに、生物が目の獲得によりカンブリア爆発を起こしたのと同じインパクトをもたらしつつある。それを受けて、我が国が強みを持つ機械学習用ハードウェアやロボティクス等の分野の研究開発が活発化している。
利用においては、インターネット空間を中心に米国や中国の企業が先行して来たが、今後、ディープラーニングによるAIの非連続的革新により主戦場が自動運転や医療・介護などリアル空間に移る中、品質・安全性の追求やソフトウェアとハードウェアをすり合わせるノウハウなど日本の強みを活かして競争優位を築く戦略が求められる。
AIの倫理的課題等の議論が欧米中心に進展するとともに、「AI著作物」「学習用データセット」「学習済みモデル」の知財面での議論も進行している。「自動運転」「ドローン」「医療・健康・介護」などの利用領域では新たなルール形成が取り組まれている。
AIの研究開発の発展と産業への適用を促進し、国際的な産業競争力の強化を図るためには、政府においても研究開発、社会実装や制度的整備に取り組むことが重要であり、我が国、海外のいずれにおいても関連政策が次々と打ち出されている。
印刷書籍版は全国の書店からも取り寄せできます
IPA 総務企画部 調査分析室
担当
小沢、神谷
2023年7月18日
2023年7月1日の組織改編に伴い、お問い合わせ先を更新
2020年6月10日
PDF版のご案内を掲載
2018年3月22日
電子書籍版のご案内を掲載
2017年7月20日
掲載