プレスリリース
公開日:2025年8月29日
独立行政法人情報処理推進機構
独立行政法人情報処理推進機構(IPA、理事長:齊藤裕)は、「企業における営業秘密管理に関する実態調査2024」報告書を公開しました。この調査は2024年度における国内企業での営業秘密の漏えい発生状況や管理実態、対策などの実態把握を目的としてアンケートを行ったものです。
技術情報や顧客情報等、企業の競争力に関わる営業秘密情報を適切に管理することは、企業にとって継続して重要な課題です。また、コロナ禍を経て定着したリモートワーク、クラウドサービスや生成AIといった技術の業務利用の推進、取引先や委託先等の企業を足掛かりに大企業への侵入を試みるサプライチェーンを狙ったサイバー攻撃の増加など、営業秘密情報を取り巻く環境は刻々と変化しています。
IPAでは、こうした状況を踏まえて、国内企業における営業秘密の漏えい発生状況や管理実態、対策等の実態を把握し、企業における営業秘密管理をさらに効果的なものとするために有用な情報の提供を目指して、アンケートによる意識調査を実施しました。
なお、2016年度と2020年度にも同種の調査を実施しており、今回の「企業における営業秘密管理に関する実態調査2024」は、2020年度に実施した調査の後続となる調査です。
本調査では、国内企業において「情報システム関連部門」、「リスクマネジメント関連部門」、「サイバーセキュリティ関連部門」、「経営企画部門」、「経営層」、「その他セキュリティやリスクマネジメントに関する業務を実施している部門」のいずれかに所属している1200人を対象として、ウェブアンケートによる意識調査を行いました。今回公表する資料では、2020年度の調査結果からの変化にも着目しつつ、企業における営業秘密の漏えいの実態や営業秘密の漏えい防止策等の実施状況を取りまとめています。
過去5年以内の営業秘密の漏えい事例・事象を認識している割合は、前回の5.2%から35.5%に大きく増加しました。(図1参照)
営業秘密の漏えいルートでは、外部に起因するサイバー攻撃による漏えいが、前回の8.0%から36.6%に大きく増加しました。加えて、内部不正相当の漏えいについても、現職従業員等によるルール不徹底(32.6%)や金銭目的等の具体的な動機(31.5%)、誤操作・誤認(25.4%)などが上位を占めています。サイバー対策と内部不正防止の両面で対策に取り組む必要があると考えられます。(図2参照)
業務における生成AIの利用について、何らかのルールを定めている割合は52.0%でした。ルールを定めるとした中では、生成AIを利用してよい割合が25.8%、生成AIを利用してはならない割合が26.2%と、生成AI利用の許可・禁止が相半ばしています。
さらに“生成AIを利用してよい“25.8%の内訳をみると、”ルールを定め、業務では、外部にもオープンな生成AIに、公開情報のみ生成AIに入力して、取扱ってよいことになっている“が14.8%、”ルールを定め、業務では、組織内に情報開示を閉じた生成AI環境で、秘密情報を含めすべての情報を取扱ってよいことになっている“が11.0%でした。
“生成AIを利用してはならない”という回答では、26.2%のうち、“ルールを定め、業務では、一切生成AIを利用してはならないことになっている”が16.3%、“業務環境から生成AIを強制的に利用できなくしている”が9.8%でした。
これからのビジネス環境において、適切なルールを整備した上で生成AIを活用することが企業の競争力向上により重要な要素となっていくことから、企業における生成AIの適切かつ安全な利活用を一層促す必要があると考えられます。(図3参照)
IPAは、多くの企業が本調査結果を参考にすることで、営業秘密管理を進め、企業競争力を強化することを期待しています。
「企業における営業秘密管理に関する実態調査2024」
2025年1月23日~2025年1月31日
リサーチ会社を利用したウェブアンケート
1,200人
IPA セキュリティセンター リスクマネジメント部 入来・江島