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プレス発表 ITパスポート試験にプログラミング的思考力等の出題を追加

公開日:2021年10月8日

最終更新日:2021年10月20日

独立行政法人情報処理推進機構

高等学校の共通必履修科目「情報Ⅰ」に対応し、シラバス改訂版を公開

IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:富田 達夫)は、国家試験であるITパスポート試験(iパス)について、高等学校の共通必履修科目となる「情報Ⅰ」に対応した出題範囲やシラバスの改訂(iパス6.0)を実施し、IPAのウェブサイトで公開しました。

iパスは、ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。近年ではデジタルトランスフォーメーションの進展に伴い応募者数が顕著に増加しており、令和2年度の応募者数は前年度比24.6%増の14万人に上っています。2009年度の試験開始から2021年8月末現在までの応募者総数は約131万人、合格者総数は約59万人となり、多くの社会人・学生から活用されています。

AI、ビッグデータ、IoTをはじめとする新技術が企業活動や国民生活に浸透するなか、学校教育においても、小・中・高等学校を通じてプログラミング教育が段階的に実施されています。高等学校においては令和4年度から、全ての生徒が必ず履修する科目(共通必履修科目)として「情報Ⅰ」が新設されます。政府の「AI戦略2021」(令和3年6月11日統合イノベーション戦略推進会議決定)(注釈1)においても、「情報Ⅰ」の新設を踏まえ、ITパスポート試験の出題の見直しを実施し、高等学校等における活用を促すことが示されています。

このような状況を踏まえIPAでは、高等学校学習指導要領「情報Ⅰ」に基づきiパスの出題範囲、シラバス等の見直しを実施し、プログラミング的思考力等の出題を追加することとしました。今回の見直しの適用時期は、2022年4月の試験からです。具体的な見直しの内容は以下のとおりです。

見直しの内容

 (1)「期待する技術水準」 iパス対象者に期待する技術水準として、高等学校の共通必履修科目「情報Ⅰ」で重視されるプログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用などを明示しました。

(2)「シラバス」Ver.6.0
iパスに必要となる知識の幅と深さを体系的に整理、明確化した資料であり、学習指針となる「シラバス」に、プログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用などに関連する項目・用語例を追加しました。具体的には、擬似言語などによる表現方法、プログラミングの目的を理解することを目標に加えています。プログラム言語の種類や特徴を理解することなども盛り込んでいます。情報デザインについては、情報デザインの考え方や手法を理解することを目標に、デザインの原則(近接,整列,反復,対比)といった用語例を追加しています。情報メディアについては、コンピュータにおける文字、音声、画像などの仕組みを理解することを目標として、代表的な音声・静止画・動画ファイル形式の特徴などを追加しています。

(3)出題内容
今回の改訂のポイントとして、プログラミング的思考力を問うため、擬似言語(アルゴリズムを表現するための擬似的なプログラム言語)を用いた出題を追加します。擬似言語を用いた出題については、サンプル問題をあわせて公開します。なお、試験時間、出題数、採点方式及び合格基準に変更はありません。

IPAは、今回の改訂が、情報Ⅰを学習した学生によるiパスの活用度合いの増加、及び情報Ⅰを学習していない社会人の対象知識のアップデートにつながり、わが国全体のデジタルリテラシー向上に大きく寄与することを期待しています。

改訂版の「試験要綱」Ver. 4.7、「ITパスポート試験 シラバス」Ver. 6.0、サンプル問題等については、試験内容・出題範囲をご覧ください。

脚注

  1. (注釈1)
    「AI戦略2021 ~人・産業・地域・政府全てにAI~ (「AI戦略2019」フォローアップ)」p.12

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更新履歴

  • 2021年10月20日

    「別紙1:擬似言語を用いたサンプル問題」を更新しました