プレスリリース
独立行政法人情報処理推進機構
公開日:2025年8月12日
独立行政法人情報処理推進機構(IPA、理事長:齊藤裕)は、社会におけるデジタル化の動向を踏まえ、応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の実施方式を見直し、2026年度からCBT方式への移行を予定しています。
企業・組織におけるDX(デジタル変革)を推進するための知識・技能を有する人材の需要は、年々高まっています。この需要の高まりとともに、国家試験である情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験も積極的に活用されています。2024年度の応募者数は、現行試験制度を開始した2009年度以降、初めて70万人を突破しました。
現在、レベル2以下の3試験区分(注釈1)は、CBT(Computer Based Testing)方式で実施し、レベル3以上の10試験区分(注釈2)は、ペーパー方式で実施しています。
今後2026年度開催分から、レベル3以上の試験区分についてもペーパー方式からCBT方式へ移行します。これにより、レベル3以上の試験区分において、応用的な知識・技能や高度かつ専門的な知識・技能を測るために出題していた記述式問題・論述式問題について、筆記によらずキーボード入力による解答が可能となり、受験者の負担軽減が見込まれます。さらに受験者が各自の都合に合わせて受験日時と会場を選択できるようになり、受験機会の自由度が増し、利便性の向上も見込まれます。
受験者は試験会場に用意されたパソコンの画面に表示される問題を読み、キーボードとマウスを用いて解答します。記述式問題・論述式問題を解答する際に、文章の途中への語句の挿入や削除が容易となり、書き直し等の手間がペーパー方式に比べて大幅に軽減されます。
CBT方式への移行に伴い、春期(4月)と秋期(10月)で各期にそれぞれ1日のみで実施していた試験を、一定期間内に複数日で実施予定です。受験者は複数の試験日から、各自の都合に合わせて受験日時と会場を選択可能となります。
なお、受験者は会場毎に設定された予約枠から自由に受験日時を選択できるようになるため、科目名「午前試験」は「科目A試験」に、「午前Ⅰ試験」と「午前Ⅱ試験」はそれぞれ「科目A-1試験」と「科目A-2試験」に名称を変更予定です。同様に、「午後試験」は「科目B試験」に、「午後Ⅰ試験」と「午後Ⅱ試験」はそれぞれ「科目B-1試験」と「科目B-2試験」に名称を変更予定です。
現在 | 午前試験 | 午後試験 |
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CBT移行後 | 科目A試験 | 科目B試験 |
現在 | 午前Ⅰ試験 | 午前Ⅱ試験 | 午後Ⅰ試験 | 午後Ⅱ試験 |
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CBT移行後 | 科目A-1試験 | 科目A-2試験 | 科目B-1試験 | 科目B-2試験 |
現在 | 午前Ⅰ試験 | 午前Ⅱ試験 | 午後試験 |
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CBT移行後 | 科目A-1試験 | 科目A-2試験 | 科目B試験 |
科目A試験、科目A-1試験及び科目A-2試験(「科目A群」という)と科目B試験、科目B-1試験及び科目B-2試験(「科目B群」という)は、実施期間を分けて複数日で実施予定です。
科目A試験と科目B試験で、各試験時間の変更はありません(科目A試験は150分、科目B試験は150分で変更なし)。
科目A-1試験と科目A-2試験で、各試験時間の変更はありません(科目A-1試験は50分、科目A-2試験は40分で変更なし)。科目A-1試験終了後、休憩(10分)をはさんで科目A-2試験を実施する予定です。
科目B-1試験と科目B-2試験で、各試験時間の変更はありません(科目B-1試験は90分、科目B-2試験は120分で変更なし)。科目B-1試験終了後、休憩(10分)をはさんで科目B-2試験を実施する予定です。
CBT方式移行後は、「科目A群」、「科目B群」ともに会場毎に試験実施時間帯が異なります。受験者は会場毎に設定された予約枠から自由に選択できます。
詳細な試験実施時期等については、後日、お知らせいたします。
今回のCBT方式への移行後も、各試験区分で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。また、出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)、出題数及び試験時間も同様に変更はありません。
IPAは、今回のCBT方式への移行によって、受験者の負担軽減や利便性向上が見込めることにより、高度な試験区分への受験意欲を喚起する契機となり、より多くの受験者が試験を通じて高度な知識・技能を習得し、企業・組織のDXが促進することを期待しています。
IPA デジタル人材センター 人材スキルアセスメント部 安藤