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未踏IT人材発掘・育成事業:2020年度採択プロジェクト概要(菅野龍太PJ)

最終更新日:2020年6月26日

1.担当PM

  • 稲見 昌彦(東京大学 先端科学技術研究センター 教授)

2.採択者氏名

  • 菅野 龍太(北海道大学 大学院 情報科学院 情報科学専攻 情報理工学コースヒューマンコンピュータインタラクション研究室)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.テーマ名

  • VRを用いた野球球審ジャッジトレーニングシステムの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

近年の野球において、球審のストライク・ボールの判定(ジャッジ)のミスが問題視されている。本プロジェクトでは、このジャッジのミス(誤審)を改善するために、VRを用いたジャッジトレーニングシステムを開発する。ユーザは野球場、投手、捕手、打者が配置された仮想空間において審判の視界を体験し、投手が投げる球に対してジャッジを下すことでトレーニングを行う。

本システムは、テストモードとトレーニングモードに分かれており、テストモードではユーザの誤審率を測定し、トレーニングモードではジャッジ技術を高めるための様々のフィードバックをユーザに与える。仮想空間内の各オブジェクトの動作は、実世界でのそれらの動きに基づいた、それぞれの3Dモデルの動作によって再現する。例えばボールの軌道は、弾道測定機器を用いて実世界で投手が投げるボールの軌道を測定してデータ化することで再現することを想定する。

本システムは、ユーザが時間や場所、道具の制限なくトレーニングを実施できるように、スマートフォン用VRゴーグルを用いて利用可能なアプリケーションとして実装する。本システムでのトレーニングを経たユーザの、実世界での誤審率の推移を計測する実験を行い、システムの有用性検証、フィードバックの収集とシステムの改善を繰り返すことで、実世界のジャッジ技術向上に有効なシステムの完成を目指す。

7.採択理由

スポーツトレーニングのためのVRの利活用が注目を集めている。しかしその多くはプレイヤーの能力向上を目的としている。それに対して本プロジェクトは、申請者自身のベースボールプレイヤーとしての経験に根差し、球審にターゲットを絞り、そのトレーニングに用いることを目的としている。球審を機械で代替するのでなく、あくまでも能力向上を目標としている点が人間拡張という観点からもユニークである。

更新履歴

  • 2020年6月26日

    2020年度採択プロジェクト概要(菅野龍太PJ)を掲載しました。