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産業アーキテクチャの必要性

公開日:2020年5月15日

デジタルアーキテクチャ・デザインセンター

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まずは動画をご覧ください。

産業アーキテクチャの必要性についてよくあるご質問

  1. Q1なぜ今、産業アーキテクチャが必要なのか?

    A1

    Society 5.0実現に向け、社会全体でさまざまなプレイヤーがテクノロジーや知見を持ち寄り、大規模・複雑なシステムを構築しようとしている。
    しかし参画する者が増え、相互の関係性やシステムの内容・構築のプロセスが複雑化するにつれ、それらのシステムの信頼性を担保することが難しくなってゆく。
    そこで連携のための共通言語として、システム構築に関する「技術」「法律・規制などのルール」「意思決定・合意形成の仕組み」などに関する共通の仕様が求められるようになった。それを生み出すための全体の見取り図としての役割を果たすものが、産業アーキテクチャである。

  2. Q2産業アーキテクチャがどう大規模・複雑なシステムの信頼性を担保するのか?

    A2

    産業アーキテクチャをつくることで、2つのことが可能になる。

    1.システムの全体構想をつくる

    個別の企業には、関係者間の利害が絡むもの、特に産業構造のようなものを独自に決めることはできない。従って、異なる事業者間・社会全体で横断的に構築される大規模なシステムについては都度の検証や意思決定が必要になるが、「あるべき姿」としての、全体像についてのビッグピクチャーなしに議論を重ねても、合意形成は難しい。
    しかしまず産業アーキテクチャを構築し、システムの全体構想を示しておけば、システム全体としての信頼性を確保する方法や参加する個々の企業の競争力を活かすポイントを利害関係者間で議論し、明確にすることが可能になる。

    2.システムの相互運用性を高める

    サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)が融合し、ビッグデータ・IoT・人工知能(AI)・クラウドを組み合わせた産業・社会基盤の上で、これまでにない付加価値の高い情報・サービスが提供され、人々の暮らしを豊かで便利なものにする「Society5.0」の実現は、これまでつながっていなかった機器・システムがつながり、データを動力源として活用できるようになることが前提となっている。
    そうした多種多様なつながりを正しく機能させるためには、関係する事業者が利用するさまざまな技術やシステム・ルール・組織が相互に連携できるよう、相互運用性を重視してサービスを開発・運用するための共通の枠組みがあるとよい。ここでリファレンスとしてのアーキテクチャが役立つ。

  3. Q3これまで同様の取り組みや概念はなかったのか?

    A3

    アーキテクチャをつくる取り組みとして、例えばシステムズエンジニアリングがある。システムズエンジニアリングとは、「システムの実現」を成功させる(=定められた条件下で品質・コスト・スケジュール要件をバランスよく満たす)ための複数の専門分野を束ねるアプローチおよび手段のこと。
    国内でのアーキテクチャの活用は、これまで建築・ソフトウェア開発など特定の技術分野に留まっており、法制度などのルールやガバナンスも含む、社会全体を対象としたアーキテクチャの活用は行われていない。

  4. Q4これまで「アーキテクチャ」と呼ばれていたものとは何が違うのか?

    A4

    これまで国内では、建築物および情報システムの「アーキテクチャ」を指すことが多かった。またシステムズエンジニアリングにおいて、そのプロセスのひとつとして、「システムと外界との関係及びシステムを構成する要素とその構成要素間の関係システムの基本的な概念もしくは特性であり、システムの構成要素とそれらの関係性を表し、デザインと進化の原則となるもの」との定義もされている。
    産業アーキテクチャとは、産業の在り方も含む「社会システム」を対象としている点が異なる。

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  • 2020年5月15日

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