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プレス発表 基本情報技術者試験における出題を見直し

COBOL廃止、Python追加、プログラミング能力・理数能力等を重視

2019年1月24日
独立行政法人情報処理推進機構

IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:富田 達夫)国家資格・試験部は、国家試験である「基本情報技術者試験」について、AI人材育成のニーズ等を踏まえ(脚注1)、出題の見直しを実施しました。具体的には、プログラム言語の見直し(COBOLの廃止、Pythonの追加)、プログラミング能力、理数能力等に関する出題の強化です。これらの詳細をIPAのウェブサイトで公開しました。

試験要綱・シラバス など

基本情報技術者試験は、ITに関する基本的な知識・技能を評価するための国家試験です。これまでの応募者総数は約882万人、合格者総数は約106万人(脚注2)であり、情報処理技術者試験の中で、最も応募者数が多い試験区分です。また、ITエンジニアの登竜門という位置付けの試験であり、応募者数の約7割が社会人、約3割は学生です(脚注3)

当該試験の出題見直しについては、午後試験で出題するプログラム言語に関し、教育機関・産業分野における利用状況等を踏まえ、「COBOL」を廃止し、「Python」を追加します。

また、今後のAI時代を見据えて、午後試験の出題構成、午前試験の出題比率を見直します。これはAIの社会実装が進展していること、政府の「未来投資戦略2018」の中でプログラミング能力及び理数能力の重要性が示されていること等を踏まえたものです。

具体的な見直しの内容は次のとおりです。試験時間、採点方式及び合格基準に変更はありません。

1.見直しの内容

  1. 午後試験で出題するプログラム言語の見直し
    • 「COBOL」について、教育機関等における指導言語としての利用の減少、本試験における受験者の選択率の極端な低下により、2019年の秋期試験をもって出題を廃止
    • 「Python」について、適用範囲の拡大と利用の増加、機械学習やディープラーニングに関わる主要なOSS(脚注4)での採用の広がり等により、2020年の春期試験から出題に追加
  2. 午後試験の出題数、解答数、配点等の見直し(適用時期:2020年の春期試験から)
    • 選択問題を構成する分野の統合を実施し、出題数及び解答数を、現行の13問出題7問解答から、11問出題5問解答に変更
    • プログラミング能力等を重視し、配点を変更
      詳細は次の表のとおりです。
    • 〔見直し後〕

      2020年春期試験以降

    • 〔見直し前〕

      2019年秋期試験以前

  3. 午前試験での数学に関する出題比率の見直し(適用時期:2019年の秋期試験から)
    • 理数能力を重視し、線形代数、確率・統計等、数学に関する出題比率を向上

2.公開資料

  • ○「試験要綱」Ver. 4.2
  • ○「試験要綱」Ver. 4.2(変更箇所表示版)
  • 注釈:基本情報技術者試験の出題におけるPythonの言語仕様、シラバス(知識・技能の細目)、サンプル問題については、2019年10月に公開予定です。

脚注