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プレス発表 第4次産業革命に対応したITパスポート試験の改訂(iパス4.0)

全ての社会人に必要な第4次産業革命に関連した新技術等の出題を強化

2018年8月6日
独立行政法人情報処理推進機構

IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:富田 達夫)国家資格・試験部は、国家試験である「iパス」について、第4次産業革命に対応した出題範囲やシラバスの改訂(iパス4.0)を実施し、IPAのウェブサイトで公開しました。

試験要綱・シラバス など

iパスは、ITに関する基礎知識を評価するための国家試験です。2009年度の試験開始から2018年6月末現在までの応募者総数は約89万人、合格者総数は約39万人です。

近年のAI、ビッグデータ、IoTをはじめとするデータ利活用に関連する新技術の進展は、第4次産業革命(脚注1)とも呼ばれ、わが国の経済社会に大きな変革をもたらしています。このような状況下で、新技術によって創出された新たな製品やサービス等を効果的に活用するためには、社会人全体の基礎力として、従来以上にITリテラシーに関する幅広い知識を身に付けることが求められています。

また、政府の「未来投資戦略2018」(平成30年6月15日閣議決定)(脚注2)においても、全ての社会人が持つべき「IT リテラシー」についての基準を策定するとともに、「IT リテラシー」を認定するためにiパスを拡充し、企業の採用選考や従業員の処遇においてAI・IT 等に関する能力の反映を促すことが示されています。

このような状況を踏まえ、iパスの出題範囲、シラバスなどの見直し及び新技術に対応した出題の強化を実施することとしました。

具体的な見直しの内容は以下のとおりです。

■見直しの内容

(1) 「業務と役割」及び「期待する技術水準」
新たな項目として、新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)やアジャイルなどの手法に関連する項目を追加しました。

(2) 「出題範囲」及び「シラバス」
あらゆる業種の企業で活用されていくような新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)やアジャイルなどの手法に関連する項目・用語例を追加しました。また、近年の動向を踏まえた情報セキュリティに関する項目なども追加しました。

〔追加する主な項目・用語例〕
○新しい技術や手法
AI(ニューラルネットワーク、ディープラーニング、機械学習ほか)、フィンテック(FinTech)、仮想通貨、ドローン、コネクテッドカー、RPA(Robotic Process Automation)、シェアリングエコノミー、データサイエンス、アジャイル(XP((エクストリームプログラミング))、ペアプログラミングほか)、DevOps、チャットボット、IoTデバイス(センサー、アクチュエーターほか)、5G、IoTネットワーク(LPWA((Low Power Wide Area))、エッジコンピューティングほか)など

○情報セキュリティ分野
サイバーセキュリティ経営ガイドライン、不正のトライアングル、DLP(Data Loss Prevention)、ブロックチェーン、多要素認証、IoTセキュリティガイドラインなど

(3) 出題内容
AI、ビッグデータ、IoTなど新技術の利活用や新技術を構成する技術要素に関連する出題を強化します。具体的には、新技術に関連する問題の出題割合を、次に示す適用時期から、半年後を目途に2分の1程度まで高めていく予定です。なお、試験時間、出題数、採点方式及び合格基準に変更はありません。

■適用時期

2019年4月の試験から

〔公開資料〕
 ○「試験要綱」Ver. 4.0
 ○「試験要綱」Ver. 4.0(ITパスポート試験抜粋版)
 ○「ITパスポート試験 シラバス」Ver. 4.0
 ○「ITパスポート試験 シラバス」Ver. 4.0(変更箇所表示版)

上記のiパスの試験内容・出題範囲などについては、以下のURLをご覧ください。
試験内容・出題範囲

新技術の利活用の進展に対応した今回の改訂により、iパスの受験者数が増加し、わが国のITリテラシー向上に大きく寄与することを期待しています。

脚注

(脚注1) 「第4次産業革命のインパクト」
   内閣府:第2章 新たな産業変化への対応(第1節)

(脚注2) 「未来投資戦略2018-「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革-」p.104
   「未来投資戦略2018-「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革-」