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未踏IT人材発掘・育成事業:2020年度採択プロジェクト概要(安藤・新田PJ)

最終更新日:2020年6月26日

1.担当PM

  • 五十嵐 悠紀(明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 専任准教授)

2.採択者氏名

  • 安藤 真之介(筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類)
  • 新田 洸平(筑波大学 情報学群 知識情報・図書館学類)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.テーマ名

  • 一人一人に合った理由でイベントに誘ってくれるシステムの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

あるイベントに対し、SNSで宣伝された情報を見た時はそこまで興味が湧かなかったが、後から参加した人の話を聞いて「自分もそのイベントに行けばよかった……」と後悔することがよくある。参加した人の話の魅力的な部分をイベントが始まる前に聞くことができていたら自分も参加できたのだが、これがなかなか難しい。まず、参加した人の話はイベントが終わってからでないと聞くことができない。また、そのイベントのどこに興味を持つかは多種多様であるのに対して、既存のイベントを宣伝するようなメディアでは全てのユーザに対して一律の内容でしか伝えることができないため、「これは自分のためにあるイベントだ!」と突き動かされるようなメッセージを受け取ることがなかなかない。

本プロジェクトでは、一人一人に合った理由でイベントを提案するアプリケーションを開発する。本アプリケーションはイベントに関する情報を収集し、知識グラフを活用することで、ユーザ一人一人が最も魅力的に感じるポイントを発見し、ユーザが「これは自分のためにあるイベントだ!」と突き動かされるような理由付きのイベント提案をすることで、多種多様なユーザそれぞれが魅力的に感じるイベントに、より多く参加できるようになることを目指す。

7.採択理由

イベントに関する情報をあらかじめ収集しておくことで、ユーザにイベントを提案するときにどのような理由で提案しているのかといったことを併せて提示するアプリケーションの提案である。知識グラフを構築すると、ユーザとイベントを結ぶパスが、そのイベントをユーザに提案する理由となる、という分析・定式化がユニークで大変面白い。ツイッターや各種イベントサイトに対して、ユーザ自身に適したイベントのレコメンドは需要があると判断した。

アルゴリズムについても、背景となっている理論基盤は多くの研究者の成果を含みつつも、Twitter上で不定形に表現されたイベントを集めることは面白い試みであり、挑戦しがいのある問題を含んでいる。人は誰かをイベントに誘うときには、その誘いたい人にあった誘い方をするが、それをシステムでうまく実現できることを期待する。ユーザから、行ってどうだったか、なぜ行かなかったかなどのフィードバックを得る仕組みを組み込み、本当に使えるシステムに仕上げていってほしいと期待して採択とした。

更新履歴

  • 2020年6月26日

    2020年度採択プロジェクト概要(安藤・新田PJ)を掲載しました。