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未踏アドバンスト事業:2018年度実施プロジェクト概要(荒川PJ)

2018年度実施の荒川・芝プロジェクトについて、概要を掲載しています。

荒川・芝プロジェクト

1.担当PM

藤井 彰人(ふじい あきひと)
・KDDI株式会社 理事 ソリューション事業本部 ソリューション事業企画本部長

2.担当BA

春田 真(はるた まこと)
・ScrumVentures Partner

3.採択者氏名

荒川 陸(東京大学)
芝 慎太朗(トヨタ自動車株式会社)

4.契約金額

8,000,000円

5.プロジェクト名

イベントカメラ用高速画像処理ライブラリとアプリケーション開発

6.関連Webサイト

なし

7.実施プロジェクト概要

自動運転、AR/VR、ドローン/ロボット等の分野で共通して必要なリアルタイム画像処理において、情報取得から出力までのセンサ遅延をいかに減らすかが制御の精度やユーザー体験の質を向上させるために重要である。生物の網膜の仕組みに着想を得たイベントカメラと呼ばれる新しいビジョンセンサは、画素ごとに非同期的に差分検知できるメカニズムによって、遅延の少なさ、データ量や消費電力の効率で従来のカメラを大きく上回っている。しかし、センサそのものが開発されてからまだ日が浅く、データの扱い方も既存のコンピュータビジョンの理論体系と異なる部分が多いため、実利用のアプリケーションはおろか開発者向けのライブラリさえ未だに存在せず、開発人口も少ない。

そこで、本プロジェクトでは、イベントカメラを用いたコンピュータビジョンアルゴリズムとそのライブラリを開発、公開することで開発環境を整備し開発者や研究者への普及を図る。さらに、イベントカメラの高速画像処理を利用した応用技術の開発に取り組み、市場性のあるアプリケーションを決定・実装することで将来的な市場拡大を推進する。

8.採択理由

<藤井PM>
イベントカメラは、人間の網膜のように輝度変化を非同期に捉えることができるカメラです。本提案は、イベントカメラを活用するための開発者ライブラリとデモアプリケーションの開発を目指します。従来のカメラでは不可能であった低消費電力、低レイテンシ、データ量圧縮をエッジ側で実現でき、またその特徴を簡単に活用できる開発ライブラリができれば、IoTサービスの目としてイベントカメラを活かした新たなサービスが生まれるであろうと考えています。

<春田BA>
2018年度未踏アドバンスト事業への採択おめでとうございます。今後、プロダクトを作り上げていく過程において、技術的・ビジネス的な壁のみならず、知財等法的な事柄にも多々遭遇することになると想定されます。私はBAの立場から、そうした一つ一つ問題を共にクリアできるようサポートします。成果を出しましょう!

更新履歴

2018年8月1日
2018年度実施プロジェクト概要(荒川PJ)を掲載しました。