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エンタプライズ系事業/定量的品質管理

本事業は、2008~2010年度に実施しました。

情報システムのソフトウェアの品質を向上するために

システム障害が社会生活に与える影響が大きくなり、高品質な情報システムが求められてきています。情報システムの品質を制御するためには、定量的な品質管理が必要です。特に上流工程での品質を確保すると全体の品質にかかるコストが下げられ、効率的です。 SECでは、定量的品質管理を実施しているベンダ・ユーザの取組み状況をまとめました。 それにより現在、実施していない組織が参考にして取り組む事ができます。

定量的品質管理の枠ぐみ

定量的品質管理の基本的な考え方は、要件定義から総合テストに至る開発各工程で計画(P)時に品質目標を設定し、開発作業の中で、品質データを測定(D)し収集、目的に応じてモデルを選択し、収集したデータを用いて分析・予測する(C)、その結果によって対策(A)を講じるという流れになります。
また、定量的品質管理のために組織としての準備が必要です。


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どのくらいの粒度で測るか?

品質予測をするために適切な測定単位はどれくらいか?
基本的にはその工程で管理する最小単位(下図の青丸)で測定するとより詳細に分析できますが、測定や分析に費やす労力・コストを考慮する必要があるので、その工程で着目する測定単位(赤2重丸)で測定する事をお勧めします。もし、品質が思わしくない場合は、最小単位で測定して、疑わしい箇所を特定します。
下記の表は、その目安を示したもので、測定単位の名称は企業によって異なりますので想定規模とあわせて参考にしてください。


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何を測るか?

何を収集すべきかについて、どの企業も実施していた測定量は下記となります。
直接測定する基本測定量とそれから導き出された導出測定量の13個になります。


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どう分析するか?

各企業が使っていたモデルと分析方法についてまとめました。
これ以外に信頼度成長曲線もよく使われています。


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さいごに

定量的品質管理は、多面的、客観的に定量的マネージメントを行い、プロジェクト状況の突然の悪化を未然に防げるかもしれませんが、品質の弱点を見つけ出し、それを重点的に追いかけるためのきっかけ及び手法にすぎません。 設計や見積りをきちんと実施することはもちろん大前提です。

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定量的品質予測の基本的な考え方と要求分析・設計、プロダクト(テスト)、プロジェクト全体の品質予測の事例を記載。

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定量的品質管理(特に上流工程)のために何が必要かをまとめています。
どうして定量的品質管理ができないのか阻害要因とその対応策を記載しています。