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超上流工程の要求定義を変革する環境変化への取組みガイド

2013年3月27日公開
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター

概要

  社会環境、経済環境、IT環境が相互に関連し不確実性を増しながら大きく激しく変化しています。先の見えない不連続な環境の変化に対して、情報システムは信頼性を保ちつつ変化に適応し続けることが、企業競争力を高めるために必要になってきています。変化に対応するために、規模が拡大し複雑さを増している社会インフラとなり得る企業の情報システムを構築するとき、特定の開発手法を用いることで環境変化に適応すると考えるのは難しいものです。

  そこで、IPA/SECでは、不確実性のレベルと変化に立ち向かう姿勢を考慮し(*1)、変化に適応するために必要な考え方を「変化適応モデル」「アシュアランスケース」「サービスデザイン」「環境変化に適応するシステム開発に関する課題」の4つに整理し、ガイドとしてまとめました。

図1.不確実性レベル、戦略姿勢とガイドのテーマ
図1.不確実性レベル、戦略姿勢とガイドのテーマ
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  特に、変化適応モデルでは、環境の監視及び環境変化の識別、環境変化の解釈、環境変化対応計画の策定、環境変化対応策の実施、並びに、これらの活動を支える知識が必須であることを明らかにしました。また、情報システム開発における変化適応モデル(図2)では、感知、解釈、決定の観点から、変化適応モデルで必要となる検討項目を具体的に例示しました。


図2.情報システム開発における変化適応モデル
図2.情報システム開発における変化適応モデル
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  また、ガイドでは情報システムが環境変化に対応する事例として、テーマ別に9件、企業別に5件を紹介しています。

  IPA/SECでは、本ガイドを用いることで、環境変化に対応する信頼性の高い情報システムの構築が進むと考えています。


脚注

(*1) [新訳]不確実性時代の戦略思考, ヒュー・コートニー, ジェーン・カークランド, パトリック・ビゲリー, DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー, July 2009 を参考にしています。

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注:当ページのコンテンツはPDF形式での提供となっております。
超上流工程の要求定義を変革する環境変化への取組みガイド[3.8MB]PDF文書