IPA/SECでは、IoT時代に対応したコンシューマデバイスの機能安全のための開発方法論(DAF for SSCD(*1))(以下、本開発方法論)の国際標準化に向けて、2013年11月11日にOMG(*2)にRFI(Request For Information)(※外部リンク)を共同(*3)で提案しました。
この度、本開発方法論が2015年4月15日の規格決定を経て、2016年2月にOMGからの正式な国際規格として公開されました。
OMG公開ページ:http://www.omg.org/spec/DAF/1.0/(※外部リンク)
概要
本規格は、OMGが2014年9月に公開した「Standards for Thing: OMG Standards in the Age of the Industrial Internet of Things」(※外部リンク)においてIoT(*4)時代のシステム開発の重要な規格の一つとして位置付けられており、コンシューマデバイスの開発方法論では世界初の国際規格です。
「コンシューマデバイス」とは、自動車、サービスロボット、スマートハウス、スマート家電等、一般消費者が使用する、組み込みシステムにより高機能化された機器のことで、これからのIoT時代では多様な環境で、様々な利用者に使われることから、高い安全性・信頼性が求められます。さらに、自動車のように、危険時には安全のため停止するだけでなく、必要とされる場合には動き続けること(このような安全性や可用性等を総括して「ディペンダビリティ」と呼ぶ)も求められます。
わが国のコンシューマデバイスメーカーでは、これまでも利用者や利用環境等の多様性に対応したディペンダブルな製品を、各工程の中で様々な状況を考慮して品質を作り込む、いわゆる「すり合わせ開発」によって実現してきました。しかし、従来の機能安全等に関する国際規格では、このような「ディペンダブルなコンシューマデバイスを実現するための開発方法論」には触れられていませんでした。
本規格は、開発のライフサイクル全体を通してディペンダビリティを保証するための体系的な枠組みであり、機能安全等の国際規格との整合性を持つもので、前述の「すり合わせ開発」とも融和性の高いものです。
IPA/SECは、本規格がコンシューマデバイス分野において広く活用され、ソフトウェアの信頼性向上に寄与する事を期待します。
関連情報
- 国立国会図書館WARP(Web Archving Project)コンシューマデバイスの信頼性確保に向けた取組み~開発方法論の国際標準化に向けて~(2013年9月30日公開)
- 国立国会図書館WARP(Web Archving Project)プレス発表 日本のすり合わせ開発と融和性の高い開発方法論の国際規格を提案(2013年11月20日公開)