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コンシューマデバイスの信頼性確保に向けた取組み

2013年9月30日公開
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア高信頼化センター

概要

  自動車、サービスロボット、スマート家電、スマートハウス等のコンシューマデバイスは、利用者の生活を更に豊かで利便性の高いものにするため、高機能・インテリジェンス化しつつ、急速に普及していくと考えられています。その一方で、様々な利用者(老若男女、知識・経験・技能の違い等)により、様々な環境(異なった地域・天候・温度・場所等)で利用されるため、それらに対応できるような高い安全性や信頼性が求められています。しかも、自動車やパーソナルヘルスケアロボット等においては、単に安全性のみを確保(危険な場合には停止)するだけではなく、可用性(継続的に稼働する)も含めた信頼性(ディペンダビリティ)が必要とされます。
  コンシューマデバイスの製造会社は、激化する市場競争のため、ディペンダビリティを確保しつつ、より機能的に優れたコンシューマデバイスを早期かつ安価に開発し、提供しなければなりません。しかし、これに関わる機能安全等の国際規格は、自動車に関するISO 26262やパーソナルケアロボットに関するISO 13482などがあるものの、コンシューマデバイスの開発プロセス、開発の仕組みに関しては、ほとんど言及されていませんでした。
  IPA/SECでは、コンシューマデバイス安全標準化WGを設置し、自動車、サービスロボット、スマート家電、スマートハウス等、分野横断的にコンシューマデバイスを適用できるよう、各分野の有識者により効率的な開発方法論について議論を進め、OMG(*1)への提案活動を行ってきました。
  本書では、この国際標準化に向けた活動として、2013年3月にOMGにて成立した「提案の要請(RFP)」までの取組みの経緯、及びその後の標準化に向けた検討内容について解説しています。

  IPA/SECでは、情報処理システムの高信頼化のための取組みを進めてきており、本規格の成立に向けた活動もWGメンバー社・組織等との連携のもと、推進していきます。

脚注

(*1) Object Management Groupの略、アーキテクチャやテクノロジーに関する標準を開発する非営利団体

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注:当ページのコンテンツはPDF形式での提供となっております。