デジタル人材の育成

株式会社クロスフェイド 代表取締役 大島 真言様

公開日:2023年9月21日

最終更新日:2024年2月27日

  • 株式会社クロスフェイド 代表取締役 大島 真言様

「情報処理安全確保支援士」としての信頼を業務に活かす

私は2007年設立の株式会社クロスフェイドを経営しており、当社の主な事業内容は自社製品の研究開発、受託開発、そしてセキュリティコンサルティング事業です。当社の業務において「情報処理安全確保支援士」を活かせた例をいくつかご紹介します。

受託開発の提案時、お客様には「情報処理安全確保支援士」であることを伝え、開発プロセスに一貫して携わることで信頼いただけるようアピールしています。昨今の事例では、当社が開発に携わったSaaS事業をお客様がエンドユーザへ提案する際に、「情報処理安全確保支援士」が設計・開発をレビューしているプロダクトであることがアピールに用いられるようになってきています。官公庁の入札案件だけでなく、民間企業においても「情報処理安全確保支援士」が関与する製品やサービスを選択するニーズが高まっていると感じています。

セキュリティコンサルティング事業の例では、他のソフトウェア開発・販売業のお客様が、IPAの「情報処理安全確保支援士検索サービス」で探した上で外部監査の依頼を下さったことがあります。本来、自社製品の情報を同業種の他社に対して開示することは考えづらいことですが、「情報処理安全確保支援士」には秘密保持義務があるため、自社製品の詳細を安心して開示することができると考え、ソフトウェア開発に詳しい「情報処理安全確保支援士」に限定して依頼先を探したとのことでした。

スキルアップにもつながる資格「情報処理安全確保支援士」

「情報処理安全確保支援士」の制度創設前から、世の中のサイバーセキュリティ対策を推進する人材の不足を感じていました。「情報処理安全確保支援士」に登録することにより自らが社会に貢献できるのではないかと考え、また、情報処理技術者試験と異なり継続的に能力を維持していることを証明できる点にも魅力を感じて「情報処理安全確保支援士」に登録しました。


「情報処理安全確保支援士」が定期的に受講する講習のうち、オンライン講習ではサイバーセキュリティに関する知識やトレンドの他、情報収集の仕方や直近の法改正の内容などを学ぶことができます。このオンライン講習の受講だけで最新のトレンドを追えるのは大きなメリットと言えるでしょう。また、実践講習・特定講習では実践的なトレーニングを受けることもでき、バックグラウンドとなる業種が異なる方たちとの交流もできます。


また、私が所属している情報処理安全確保支援士会(JP-RISSA)(注釈)は「情報処理安全確保支援士」限定のコミュニティで、会員には弁護士・弁理士・中小企業診断士・税理士など、他の国家資格も保持している方がいます。このような横のつながりを持ち、セキュリティ分野における早い情報交換などの形でお互いを補完し、刺激しあって研鑽していく機会もあります。


(注釈)一般社団法人情報処理安全確保支援士会:情報処理安全確保支援士同士が活躍の場をひろげ、情報セキュリティを取り巻く環境が向上することを目的に、2019年8月に設立された任意団体を母体として、2020年4月に設立。

「情報処理安全確保支援士」を目指す方へのメッセージ

世の中の誰もが、自身や家族、自組織を守るためにセキュリティを学び、実践する責任を負っており、利用する製品やサービス、その運営組織のセキュリティが担保されているかどうかは重大な関心事となっています。

「情報処理安全確保支援士」は継続して自己研鑽を行い、一定以上かつ最新の知識・スキルを持つ人材です。「情報処理安全確保支援士」であり続けることで、製品やサービス、組織のセキュリティへの関与を通じて他者や他組織、社会にまでも貢献できる能力を証明することができますので、安全・安心な社会を実現するために必要不可欠な人材として、あらゆる分野・領域で今後ますます活躍が求められる資格であると言えます。
これから「情報処理安全確保支援士」にチャレンジされる方を応援しています。