デジタル人材の育成

TMI総合法律事務所 寺門 峻佑 様

公開日:2020年7月7日

最終更新日:2024年2月27日

  • TMI総合法律事務所 寺門 峻佑 様

専門分野+αを持つことが自己の強みになる

TMI総合法律事務所(以下、TMI)は弁護士、弁理士、税理士などのあらゆる分野の専門家を持つ総合法律事務所で、国内外の様々な案件の依頼を受け、それぞれの案件ごとに最適な専門家チームを編成して対応しています。

近年、セキュリティや個人情報漏洩等に関する法律相談が増加しており、ITやセキュリティ等、法律以外の専門知識が求められる業務が増えています。これらの業務に対応するには法律+αの知識が必要であり、TMIでは職員それぞれが自己の強みとなる新たな知識の習得に日々励んでいます。

私は弁護士と「情報処理安全確保支援士(以下、登録セキスペ)」の2つの資格を持つ者として、データの利活用やセキュリティ関連の案件を主に取り扱い、企業顧問や講演などの業務も行っています。法科大学院を卒業後TMIに入所し、様々な案件を担当したり、海外の法科大学院や現地法律事務所等で業務を行い、現在で弁護士10年目になりました。もともとIT分野に興味があり、システムやセキュリティ関連の契約・交渉・訴訟案件に対応する過程でセキュリティ技術についても勉強を重ねてきたところ、日本で唯一のセキュリティの国家資格があることを知り、登録セキスペの資格を取得しました。

企業顧問としての業務では、法学や経営、セキュリティ関連の知識を活かして、経営層・法務部門と、現場の開発部門との橋渡し役を担っています。弁護士になった当初は、セキュリティは専門外のため分からないこともありましたが、開発部門の声を経営層に届けるために努力し、今では私のもう一つの専門分野にすることができました。法律とセキュリティ双方の分野に知識を持つことが今の私の強みであり、業務のやりがいにもつながっています。

登録セキスペはセキュリティを語る上で幅広く使える国家資格

登録セキスペは技術的な知識だけでなく、経営寄りのジェネラリストのような立ち位置も求められる間口の広い資格であり、セキュリティを語る上で幅広く使えるところが魅力だと思います。登録セキスペの資格を取得したことで、能力の可視化や、相手に安心感を与えることができるようになったと実感しています。
製品やサービスにセキュリティ実装をするのが当たり前であることは、社会の共通認識になりつつあります。セキュリティを担う人材が不足している中、まずは経営層がセキュリティの重要性を認識して人材育成に取り組むことが重要であり、そのためには経営とセキュリティの知識を併せ持ち、経営層に寄り添って支える人材が今後ますます求められます。

どの世界もそうですが、資格を取って終わりではなく、常に勉強し、知識をもとに実践していくことが重要です。登録セキスペも、セキュリティ+αとして色々な得意分野を持つ人がいて、セキュリティという共通言語をもとにコミュニケーションをしてお互いの成長の糧とすることが望ましいと思います。一般社団法人情報処理安全確保支援士会(注釈)の理事として、登録セキスペ同士のコミュニティ活動推進にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。 登録セキスペとしての活躍の道は一つではありません。これから登録セキスペを目指す方には、是非これだけは人に負けないという強みを持ち、道を開いてほしいと思います。

(注釈) 一般社団法人情報処理安全確保支援士会:情報処理安全確保支援士同士が活躍の場をひろげ、情報セキュリティを取り巻く環境が向上することを目的に、2019年8月に設立された任意団体を母体として、2020年4月に設立。
詳しくは、一般社団法人情報処理安全確保支援士会をご覧ください。