デジタル人材の育成

プラスエス代表 大久保 茂人 様

公開日:2020年5月25日

最終更新日:2024年2月27日

  • プラスエス代表 大久保 茂人 様

中小企業のセキュリティ対策支援を通じた地域貢献を目指す

私は現在、岡山県でプラスエスの代表を務めており、主に中小企業に向けたアドバイザーとして、セキュリティ対策支援や業務改善に関する事業を行っています。かつては大手や中堅のITベンダでシステム開発に関する仕事をしていましたが、「システムにトラブルが起きても業務が止まらないようにしたい」という多くの顧客の要望を通じて、事業継続の重要性や安全なシステム運用の必要性が強く求められていると感じたことから、企業に寄り添ったセキュリティ対策を推進する仕事がしたいと考えました。

特に、セキュリティ対策が喫緊の課題である中小企業を対象に活動するための道を模索していたところ、セキュリティの国家資格である「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」制度の創設を知りました。この資格取得が信頼の証明になると思ったことが後押しとなり、登録セキスペになると同時に独立して現在の事業を立ち上げました。

様々な地域の中小企業を訪問する中で、セキュリティ対策に関心の高い企業が多い一方、まず何から手を付けたらよいか分からないという声が多いと感じます。中小企業においてはいかに費用や人的資源をかけず、重要性や優先度を考慮してセキュリティ対策を実現するかが切実な課題であり、セキュリティをどうビジネスに繋げるかという視点が重要です。セキュリティという漠然としたものを一緒に紐解き、一歩ずつ前に進むお手伝いができるところが、この仕事のやりがいだと感じています。「社員のセキュリティの意識向上に役立った」、「安心できる相談窓口ができ、IT利活用の課題も整理できた」など、お客様からの感謝の言葉も励みになります。

登録セキスペは確実に求められている人材

IPAが2019年度に実施した「中小企業の情報セキュリティマネジメント指導業務」においては、専門家として中国地方を中心に多数の中小企業を訪問し、セキュリティに関する課題の洗い出しや改善計画の策定などを行いました。また、情報処理安全確保支援士会(注釈)の中国地方担当理事として、イベントの企画や他業種との交流などを行い、会員へのメリット提供や、私自身の業務に欠かせない最新情報の取得や人脈作りに努めています。他にも中小企業を顧客に持つ他士業の方々や、地域団体との連携等を通じて、新たなニーズを掘り起こしていきたいと考えています。

5GやIoTなどの技術革新が進む中、様々な機器がインターネットにつながる時代になってきた一方で、それらの機器に十分なセキュリティ対策が施されているとは必ずしも言えません。またそれらの対策が可能な人材も不足していることから、登録セキスペは確実に求められている人材です。企業の情報セキュリティ対策を支援するためには第三者的な観点も求められますので、私のように起業を検討する方にもこの資格を取得いただき、活躍してもらえたらと思います。

登録セキスペだからこそできる、人の役に立つ仕事があります。これから登録セキスペを目指す方は、ぜひ諦めずにチャレンジしてください。

(注釈) 情報処理安全確保支援士会: 情報処理安全確保支援士同士が活躍の場をひろげ、情報セキュリティを取り巻く環境が向上することを目的に任意団体として2019年8月に設立。
詳しくは、情報処理安全確保支援士会公式サイトをご覧ください。