デジタル人材の育成
最終更新日:2021年5月28日
近年、建築設計においてパラメトリックな手法が広く取り入れられつつあり、目的に応じた複雑かつ合理的な設計が可能となっている。本プロジェクトでは、そうしたパラメトリックデザインとアニーリングマシンによる最適化を組み合わせることにより、対話的動線計画最適化を実現し、建築における設計品質の向上を目指す。従来のGA等が用いられるパラメトリックデザインの最適化では計算時間が問題となっていたが、アニーリングマシンを導入することによってそれを短縮し、試行錯誤を容易にすることでより設計者の感性が反映された快適で合理的な設計が可能になると考える。
パラメトリックデザインソフトウェアとして広く設計者に用いられているRhinoceros及びGrasshopperへのアニーリングマシンによる最適化モジュールの実装を最終的な目標とし、設計者が容易にアニーリングマシンによる恩恵を受けることができる環境の整備を目指す。
建築パラメトリックデザインへアニーリングマシンを適用し、最適化処理を行うソフトウェアを開発するという野心的なテーマを掲げている点が素晴らしい。採択者は建築ならびに建築分野周辺の最先端テクノロジーに対する知識を自身で積極的に学んでいる姿勢も、未踏ターゲット事業の理念にかなった人材である。
未踏ターゲット事業における人材育成を通じて、アニーリング技術のさらなる習熟に努め、ソフトウェア開発を集中的に進めることで、建築分野におけるドメイン知識とアニーリング技術との掛け算によるバイリンガル人材となることを強く期待する。
2021年5月28日
2021年度未踏未踏ターゲット事業:田川プロジェクト概要を掲載しました。