デジタル人材の育成
最終更新日:2021年5月28日
金融商品の一種としてオプションと呼ばれる、原資産を売買する権利を扱う取引があります。さらにバニラ型とエキゾチック型に分類されます。リスク管理には価格だけでなく、感応度と呼ばれるリスク指標を計算する必要があります。エキゾチック型のような複雑な金融商品の場合、精度の高い感応度を算出するのは計算負荷が大変高く、計算時間もかかります。
本プロジェクトでは、エキゾチック型オプションの価格および感応度計算に対して、量子深層学習の活用に取り組みたいと考えております。具体的にはエキゾチック型オプションの一種であり、取引量の多いバミューダン・オプションの価格および感応度計算に焦点を当てます。このオプションの価格および感応度評価において量子深層学習が有効であることが認められれば、金融分野における量子コンピューティングの活用が更に進展すると期待されます。
問題設定が具体的に設定されており、また、量子機械学習をオプションの計算の学習に使うという点で興味深いです。ただ、バニラ型については非常にシンプルなので、エキゾチック型において、その課題をうまく量子機械学習の部分の工夫によってクリアできるような提案につながると面白いと思いました。
また、金融工学分野への応用のためのツールが開発されることは、今後この分野への参加の障壁を下げることにもつながると期待されます。
2021年5月28日
2021年度未踏ターゲット事業:佐久間プロジェクト概要を掲載しました。