デジタル人材の育成
最終更新日:2022年6月20日
テクノロジーの進化により、デジタル端末を用いてノートを取る機会が増え、紙では困難だった保存・管理・削除が容易になった。デジタルなノートテイキングに用いられる端末としては、主にPCとタブレット端末が存在する。
既存のノートテイキングアプリケーションの問題点として、PC用のノートアプリケーションでは、タイピングにより記述スピードが速い一方で文章レイアウトが直線的になるという問題がある。タブレット用のノートアプリケーションでは、レイアウトが自由な一方で書くスピードがタイピングより遅くなる。そのため、ユーザにとっての使いやすさという点で、両者は一長一短であると言える。
本プロジェクトでは、レイアウトの自由度を保ちつつ、キー操作性を高めることで、書くスピードも高速にしたノートテイキングアプリケーションを開発し、既存のノートテイキングアプリケーションの問題解決を試みる。
本アプリケーションでは、ページを文字単位の細かいマスに分割し、テキストはそのマスを起点に生成されるようにする。一文字入力するごとに一つ右のマスへ移り、エンターキーで一つ下の行に移動するなどの動作は既にあるノートテイキングアプリケーションと変わらない。本アプリケーションの特徴は、ユーザのキー操作によってカーソルがグリッド間を縦横に移動する点にある。これにより、マウス操作を介することなく、表計算ソフトウェアでのキー操作でのセル移動のような快適な操作によって、テキストを自由な位置に生成・配置できるようになる。
本アプリケーションではテキスト・図形・画像などのあらゆるオブジェクトを、ページ内の位置やフォントなどの情報を持つ「ブロック」という要素として表現する。マウス操作に加え、キーによってブロックを快適・柔軟に操作できるインタフェースを提供することにより、オブジェクト全般、特にテキストの操作を効率化する。
また、ブロックを先に述べたグリッドに沿って配置することで、崩れにくく自由度の高いレイアウト機能も実現する。これらによって、PCの扱いに長けたユーザのみならず多くのユーザが操作感を楽しめるような、今までに無いノートテイキングアプリケーションの実現を目指す。
ページをマスに分割し、マス単位でレイアウトを管理することで、レイアウトの自由度を保ちつつ、キー操作性を高めたデスクトップノートアプリを作ることを目指した提案である。
類似アプリがいくつもある、イノベーションがもっとも求められる難しい分野である点には懸念があるものの、提案者はプロジェクトへの熱意が高く、魅力的なシステムとして発展することを期待し採択した。
2022年6月20日
2022年度採択プロジェクト概要(稲葉PJ)を掲載しました。