HOME未踏/セキュリティ・キャンプ未踏事業未踏IT人材発掘・育成事業:2017年度採択プロジェクト概要(城倉PJ)

本文を印刷する

未踏/セキュリティ・キャンプ

未踏IT人材発掘・育成事業:2017年度採択プロジェクト概要(城倉PJ)

最終更新日:2017年6月26日

1.担当PM

 竹迫 良範(たけさこ よしのり)
 ・株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 専門役員

2.採択者氏名

 城倉 弘樹(法政大学 理工学部)

3.採択金額

 2,304,000円

4.テーマ名

 環境に対して自動最適化する高性能通信基盤の開発

5.関連Webサイト

6.申請テーマ概要

 近年、ソフトウェアによる高性能通信の性能がハードウェアに迫りつつある。Intel DPDKの登場により、Linux上でハードウェアルータに迫る性能をもつソフトウェアルータが実装可能になった。DPDKはメモリコピーとカーネルのコンテキストスイッチを低減することで、ハードウェアに匹敵する高性能通信を可能とする。クラウド/仮想化技術が浸透しつつある今日、ソフトウェア技術による高性能通信の実現は今後様々な応用、発展を可能にする。
 しかしDPDKを利用したソフトウェアは設計/設定面で高度なチューニングが必要であり、また、システム全ての実装を行わなければならず、高性能なソフトウェアを開発するためのコストが高い。加えて開発に際しては、ソフトウェアのボトルネックがどこにあるのか、どのように解決するべきなのか、という困難な問題に頻繁に直面する。
 本プロジェクトでは高性能通信基盤を開発する。本基盤を用いることでネットワークトラフィックやマシン構成に応じてパラメータ等を自動最適化し、通信ソフトウェア開発の低コスト化、及びパケット転送の役割を担うデータプレーンの自動高性能化を実現する。これらにより、本基盤がより迅速で高性能な通信ソフトウェア開発を支え、今後のソフトウェア通信基盤のデファクトスタンダードとなることを目指す。本プラットフォームの自動自己最適化技術により、通信の高性能化技術に関する、より高次な研究が出現することも期待される。

7.採択理由

 ひと昔前のルータは複数のNICを持ち独自のリングバッファやパケット書き換えをハードウェアで行なうオフロード機能を持った独特なアーキテクチャのものが多かったが、Intel製CPU/NICの高速化とIntel DPDKの登場で、最近の高性能ルータの中身がIntel製のものに大きく変わりつつある。Intel DPDKとx86/x64JITを組み合わせて、通信トラフィックの状況に応じて自動最適化するアルゴリズムを開発し、CPUのマルチコア性能を大きく引き出して超高速なルータを安価に自作する提案である。ISPでの4ポートのBGPコアルータとしての利用を想定していて、Tier1、Tier2プロバイダでも使えるものを目指す大変野心的なプロジェクトである。世界一の価格性能比率を実現することも一つの目標だが、ここで培った要素技術の開発は様々な場所で展開可能であるので、密結合による高速化の実現の他に、疎結合なライブラリ化も同時に進めて成果を広く社会に還元していくことも期待している。

更新履歴

2017年6月26日 2017年度採択プロジェクト概要(城倉PJ)を掲載しました。

未踏/セキュリティ・キャンプ