デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2015年度採択プロジェクト概要(佐藤哲朗PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

首藤 一幸(東京工業大学 大学院情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 准教授)

2.採択者氏名

  • 佐藤 哲朗(東京農工大学 大学院 水内研究室)

3.採択金額

  • 2,304,000円

4.テーマ名

  • 鑑賞者を感動させる絵画を創作する人工システムの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

本プロジェクトでは、鑑賞者を感動させる絵画を創作する人工システムを構築する。
花を見て美しいと感じる、スポーツカーを見てかっこいいと感じる、夕日を見て何か物悲しく感じる。このように人が何かを見ることは、モノの理解に留まらず印象を感じることも伴う。花を花と理解するだけではなく、それを美しいと感じる感性を人は持っている。モノの理解はある程度一意に定まるものであるが、モノから印象を感じ取る感性は人それぞれ異なっている。感じ取った印象を表現し、他者と分ち合おうと絵や音楽、物語を作り出すことが、創作の一側面であるとクリエータは考えている。近年、画像認識の分野において、計算機がモノを理解する技術は飛躍的に進歩している。しかし、モノに対する人それぞれが異なる感性などの認識を計算機が推定することは出来るのであろうか。また、感性を生じさせるような作品を人工システムが作り出すことはできるのであろうか。本プロジェクトではこれらに挑戦する。
本プロジェクトでは、人工システムによる絵画創作で、人の内部から生じる主観的、直感的なものである感性の表出を起こせないか検証する。そして、人に生じる感性を推定する機構と、多様な絵画を生成できる機構を構築し、それらを組み合わせることで、人工システムが人を感動させる絵画を作り出せるようにすることを目指していく。

7.採択理由

絵画、しかも鑑賞者を感動させる絵画を描くプログラムを開発しようという提案である。現在は、一定の制約を設けて描いた抽象画を特定の感性(例:きれい)に近づけていく手法に取り組んでいる。
佐藤君が取り組んでいるのは、ロボットはヒトを感動させられるか?というテーマでもある。ヒトの心を動かす技術やその原理がちゃくちゃくと蓄えられつつある今、そこに(大きな)一石を投じて欲しい。