DX推進の段階毎の企業の課題と考察

IPA調査分析ディスカッション・ペーパー2023-03

公開日：2023年11月7日

独立行政法人情報処理推進機構
調査分析室専門委員加藤喜章

本ディスカッション・ペーパーは、執筆者の見解に基づく内容であり、独立行政法人情報処理推進機構としての公式⾒解を示すものではありません。

概要

独立行政法人情報処理推進機構（IPA）は2023年2月に公開したDX白書2023において、日本企業のデジタル化は進みつつあるが、トランスフォーメーションに成果を上げている企業の割合は米国企業に比べ低いことを示した。
本ディスカッション・ペーパーでは、DX白書2023で分析結果を示した「企業を中心としたDX推進に関する調査」をさらに詳細に分析した結果を示す。具体的には、調査回答企業を三つのグループ（グループ3：デジタルトランスフォーメーション段階）グループ2（デジタライゼーション段階）、グループ1（デジタイゼーション段階）に分類し（表1）、各グループの企業の特徴を分析した。さらにグループ3の日本企業と米国企業との差異、日本企業のグループ1、2とグループ3企業との差異を明らかにするとともに、その要因について考察した。

第1章はじめに
第2章本稿の構成と概要
第3章 DXの成果別に見た企業の分類化と分布
第4章日本のグループ2（デジタライゼーション段階）、グループ1（デジタイゼーション段階）企業におけるDX取組の課題分析
第5章日本のグループ3（デジタルトランスフォーメーション段階）企業と米国企業との比較分析
第6章企業を中心としたDX推進に関する調査（2022年度調査）の概要

表1 DXの成果別に分類した回答企業割合（日米）

-グループ3【デジタルトランスフォーメーション】以下のDX取組内容4項目ですべて成果ありとした企業
「新規製品・サービスの創出」
「組織横断／全体の業務・製造プロセスのデジタル化」
「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革」
「企業文化や組織マインドの根本的な変革」
-グループ2【デジタライゼーション】グループ3以外で以下のDX取組内容2項目ですべて成果ありとした企業
「業務の効率化による生産性の向上」
「既存製品・サービスの高付加価値化」
-グループ1【デジタイゼーション】グループ3、2以外で「アナログ・物理データのデジタル化」のDX取組内容で成果ありとした企業
-nは回答数を示す