デジタル人材の育成
藤井 彰人(Mashup Awards 1-4 主宰、 グーグル株式会社 エンタープライズ プロダクト マーケティング マネージャー)
チーフクリエータ
樋口 啓太(東京大学大学院 学際情報学府 学際情報学先攻 学生)
コクリエータ
なし
家庭用ビデオカメラにより、誰でも体験を映像として保存することができるようになった。また、Webサービスにより写真や映像を共有・配信することが頻繁に行われている。しかし、撮影方法は手持ちか三脚しかないため、カメラワークの空間的自由度はほとんどない。
一方、ゲームにおいては人間を空中から撮影する演出方法が使われており、地表のカメラでは得られない斬新な視点や、あたかも人間から体外離脱して自分自身を眺めるようなOut-of-Body Vision の感覚を創出することがなされている。映画やスポーツ中継ではクレーンカメラによって同様の効果を出そうとしているが,設備が大規模になってしまう。
本プロジェクトでは自律飛翔型撮影システムにより、Out-of-Body Vision コンテンツ作成のための基盤技術を開発する。飛翔型撮影システムには、近年容易に入手可能になったラジコンヘリコプター "MikroKopter" などのクアッドコプターをベースに開発を行う。
本プロジェクトで開発するのは、
である。
本プロジェクトの成果により、空間的制約のないカメラワークを容易に実現する。そのためOut-of-Body Vision スポーツ中継などこれまでにないコンテンツが創生できる。さらに、飛翔型撮影システムを簡易な構成にすることができれば、一般家庭でもOut-of-Body Visionを撮影できる。
これにより、現状では撮影環境が手持ちや三脚に限られている屋外パーティや運動会などのストリーミング配信や、スポーツのフォームチェックなどにも応用できる。
臨場感のある映像をカメラとミニヘリコプターで行うというシンプルな発想が非常に面白い。本提案は、これまで専門的な技術と高額な装置をもつものだけが可能であった撮影手法を、個人への提供する可能性を持つ。リアルタイムに撮影対象物を追うための技術は、高度な技術を要求すると思われるが、審査段階での明瞭な質疑応答や、提案者の本提案に対する強い情熱から、未踏として採択したい。