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公募結果:2008年度下期 未踏ユース 公募結果

1.担当PM

 安村 通晃(慶應義塾大学 環境情報学部 教授)

2.採択者氏名

 チーフクリエータ:杉浦 裕太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)

 コクリエータ:なし

3.未踏ユースプロジェクト管理組織

株式会社 創夢

4.採択金額

 3,000,000円

5.テーマ名

 インタラクティブUIを用いた家庭用ロボット操作方法の開発

6.関連Webサイト

7.申請テーマ概要

 近年,メカトロ技術の発展によりロボットの性能が飛躍的に向上し,実際に使用されるようになってきている. これらは産業分野で使用されているものや,人間と同様な形状をもちコミュニケーションを目的とされたロボットなどさまざまなものがある.しかし,残念ながらこれらのロボットの多くは実際の家庭生活において役に立つものではない.本提案では,日常に普及している電化製品のように,現実の生活において有用であり,誰もが直感的に扱うことのできるロボットシステムの開発を行う.
 これまでのロボットは,自律化が期待されているため,様々な環境に対応できるように複雑なアルゴリズムの形成や精度の良い認識技術を必要とした.しかし,技術がすすんだ現在でも日常において役に立つロボットはそう多くない.現在普及している家電に注目してみると,これらはすべて自律的に行動しているわけではない.例えば炊飯器は,米を研ぐ,蓋をあける,スイッチを入れる,などの作業はユーザが行っている.その結果,炊飯器は複雑な機構やアルゴリズムを持つ必要がないのである.しかし,これらが普及した背景を考えてみたときに,結果として家事の時間を短縮できるということが大きな理由であると考えられる.
ロボットも同様に,人のサポートをうけることでこれまで困難とされていた家事を遂行でき,結果として家事の時間が短縮できるのならば,多いに家庭に受け入れられる可能性がある.しかし,これまでのロボット開発において,人とロボットがお互い助け合えるためのインタフェースについて注目されることは少なかった.
 実際の家庭で使用されるロボットにおいては,ユーザにとって親しみやすく,操作が簡単なインタフェースである必要がある.また,ユーザからの「部屋のあの部分を掃除してほしい」「棚の上の物を取ってきてほしい」などの大まかな指示もロボットがくみ取り実行する必要がある.これまでのロボットを操作するインタフェースでは,音声,自然言語のような抽象的指示かジョイスティックなどの直接的指示手法が採用されていたが,これらのインタフェースでは精度不足であり,操作も複雑な手続きが必要であるため一般家庭向きではない.また,ユーザの興味としては,ロボットをどのように動かすかというよりも,対象物をどのように操作するかという部分が本質的である.
 今回は例として"洗濯物たたみ"と"料理"という家事に注目し,それらを実行するロボットを製作し,そのための動作指示インタフェースを開発する.インタフェースは,ユーザが操作したい対象の本質的な部分をモデル化されたものが付与されている.ユーザはその本質的な部分の操作をドラッグアンドドロップなどの直感的な作業でグラフィカルに編集することができる.ロボットはユーザの作業結果から,物理的な操作内容をくみ取り仕事を遂行する.
 この技術により,今まで代行が困難とされてきた家事の労力を,ロボットの助けを借りることで軽減できるのならば,今まで信じられていた世界を大きく変え,家電同様,ロボットが家庭においてなくてはならない必需品となる可能性がある.

8.採択理由

 産業用ロボットやヒューマノイドロボットの研究開発は盛んであるが、これから人々の生活にもっとも影響を与えると思われるのは家庭用のロボットであろう。中でも家事をこなすロボットは期待が高い。掃除用ロボットとか高級な皿洗い機も出始めてはいるが、複雑な家事労働を人間に代わって行なわせるにはまだまだやるべきことが多い。
 今回の杉浦君のプロジェクトは、この家事ロボットの中でも、洗濯物を整理するところに着眼している点が素晴らしい。洗濯物をたたむ専用のロボットを試作し、実際に洗濯物をたたませることが可能になるというすぐれものである。
 基本部分はすでにある程度動いているということで、未踏期間中にやるべきことを整理する必要がある。オーディション時には、洗濯物をたたむ際の前後の行動、すなわち、洗濯物の山から取り出して分類する、洗濯物を広げる、どういうたたみ方をするか洗濯物毎に判断する、たたんだ物を積み重ねる、などの課題を挙げていたが、他にも、現在可能なTシャツなど以外にどこまでの種類の物がたためるようにするのか、などもあり、実際にどこまで今回やるのかについては慎重に決めていく必要がある。
 楽しみな研究なので、短い未踏期間にどこまでやるかを明確にして、開発を進めて欲しい。

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