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未踏/セキュリティ・キャンプ

2008年度下期 採択案件概要

1.担当PM

 石川 裕PM(東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授)

2.採択者氏名

 チーフクリエータ:末田 航(東京大学 大学院学際情報学府)

 コクリエータ:矢野 慎一郎(ブレッソン・アンド・ビズ株式会社 代表取締役社長)

3.未踏プロジェクト管理組織

 株式会社メルコホールディングス

4.採択金額

 5,480,000円

5.テーマ名

 記憶発火装置:記憶拡張を支援する共有型ライフログプラットフォームの開発

6.関連Webサイト

 なし

7.申請テーマ概要

 本プロジェクトの目的は、「ライフログ」と呼ばれる、個人の行動履歴をデジタルアーカイブ化する技術を活用し、収集したデータを共有、検索可能とすることでユーザの記憶の拡張を支援する、行動履歴閲覧システムの開発を実施し、その結果としてひらめき、憶い出しなどの、記憶想起のきっかけを提供する「気分予報メディア」を提案することである。
 具体的には、GPS、Wi-Fiによる位置情報プラットフォーム「Place Engine」などを用い、環境音や画像と関連づけられた個々人のライフログ情報をインターネット上で公開、共有、閲覧するための基盤となるWebシステムの開発を行う。
 本事業での実現方法として、複数ユーザによって収集された写真データの属性情報を蓄積・共有するデータベース、収集データをユーザが検索するためのプログラム、検索結果を可視化するWebブラウザベースのインタフェース、およびAPIの開発によって達成することを予定している。

 デジタル記憶媒体の大容量化、各種センサーの低価格化など、ハードウェア技術の進歩により、個人の活動を逐次記録する、ライフログの収集が容易に可能になった一方で、蓄積した情報を、記憶の補助とすべく的確に検索、提示する技術や活用方法に関しては、明確な指針が見えていない状況にある。
 大都市など、高い人口密度の領域では、複数のユーザがライフログの収集を行った場合、あるユーザの行動履歴を記録したライフログと、同一または近似した記録が存在することが想定される。例えば、同じ地下鉄の音や、都市空間のランドマークの複数視点からの画像等である。これら複数の個人による記録の近似点を、シームレスに「見える化」することができれば、個人単位では情報量的に不十分であったライフログに、新たな視点や価値を見いだすことができる可能性がある。
 また、携帯電話等のウェアラブルなメディアが社会的にも普及した現代においては、複数ユーザによるライフログをコンテキストアウェアに提示するシステムの実現性は高く、現行のメディアを対象に実装を行うことで、都市空間に生活するユーザに新しい記憶感覚をもたらすことが十分期待できると考える。

8.採択理由

 本提案は、あらゆる場所で撮影した写真の日付と位置情報をWEB上に蓄積するとともに、他の人の撮影写真と共有することにより、新しい価値観を見出そうとするものである。想定利用モデルの一部は納得のできないものもあるが、新しい用途が広がる可能性を秘めている。このためには、デザインセンスとプログラミング能力の2輪がうまく機能しなければならず、提案代表者の持つメディアデザインのセンスと共同開発者のプログラミング能力に期待する次第である。

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