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「平成23年度モデルベース開発技術部会活動報告書」「利用者品質の確保に向けたユーザモデリング技術実用化調査」報告書

2013年1月31日公開
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター

概要

  IPA/SECでは情報システムが組込み製品を含む様々なデバイス等と有機的に連携する 一体的システム(統合システム)に変化しつつある状況を踏まえ、2009年度より 「高信頼開発手法」及び利用者品質に着目した設計品質の向上技法の検討に着手しており、 2010年度は「統合系システム・ソフトウェア信頼性基盤整備推進委員会 モデルベース開発技術部会」を設置し、更に検討を進めています。

  2011年度は2010年度の検討結果を受けつつ、下記の3項目を重要事項と捉え討議検討を行ってまいりました。

(1) 「モデルベース開発技術」の適用領域の拡大
  障害波及性、システム安定性等今後増大する統合システムにおける主要リスク要因を設計段階で低減するために必要な技術を整理することを目的として、統合システムのリスクを低減するためのモデリング技術について検討。
具体的には、リスクを低減するモデリングとして、ソフトウェア開発で代表的なモデリング手法であるMDD(*1)とMBD(*2)が挙げられるため、それらの適用性に関して検討を実施。
(2) 「モデルベース開発技術」において未開拓な技術領域の確立
  多様なユーザ特性をモデル化するための標準的なプロセスを定義するとともに、現状把握のための「利用者品質の確保に向けたユーザモデリング技術実用化調査」を実施することで、ユーザ(人間系)のプロファイルをもとにユーザモデルを作成するための手順の確立について検討。
(3) 「消費者機械(*3)の機能安全」についての検討
  要求変化が速く利用形態が多様な消費者機械の特性を踏まえ、安全性、信頼性、セキュリティを含めたディペンダビリティを保障する枠組みについて検討。

本報告書は本部会の2011年度活動成果および関連調査結果をとりまとめたものです。

脚注

(*1) Model Driven Developmentの略で、主に情報系のモデルベース開発手法
(*2) Model Base Developmentの略で、主に組込み系の狭義のモデルベース開発
(*3) 一般のユーザが利用する自動車、サービスロボット、家電、スマートハウスなどの機械製品に対する造語

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