モノづくりを愛する “Maker”たちの祭典「Maker Faire Tokyo 2025」に未踏事業が出展しました。
Maker Faire Tokyo 2025
開催日:2025年10月4日(土曜日)、5日(日曜日)
会場:東京ビッグサイト
「Maker Faire」は、新しいテクノロジーを中心に、さまざまな材料・素材をユニークな発想で使いこなし、皆があっと驚くようなユニークなものや、大量生産では作れない、一人ひとりが本当に欲しいものを作り上げる「メイカー(Maker)」のお祭りです。各地からメイカーが集まり展示やデモンストレーションを行います。
未踏の成果「トラックボール型3Dマウス」と「排便分析デバイス」を展示
未踏ブースでは、2組の未踏修了生が展示を行いました。未踏期間中に開発したプロダクトの実機を使い、プロダクトの新規性や開発した技術のデモンストレーションを行いました。
西村 陽向さん、髙𣘺 伊織さん、成瀬 宏亮さん(2024年度未踏IT人材発掘・育成事業修了生)はトラックボール型3Dマウス「ParRot」を展示。「ParRot」は3Dモデルの設計に適した専用トラックボール型マウスで、開発した内容はハードウェア、ソフトウェアともオープンソースで公開しています。
工藤 蒔大さん(2024年度未踏IT人材発掘・育成事業修了生)は家族の腸内環境を改善する排便分析デバイス「うんポスト」の展示を行いました。プライバシーに配慮したエッジで実現するAI解析、楽しく使えるアプリ、デバイスまでのすべてを開発しました。
修了生の成果から、未踏事業に興味を持った来場者も多数。会場を訪れた子供たちの中から、将来のクリエータ、イノベータが誕生するかもしれません。
IPAブース以外でも未踏修了生が多数出展
「Maker Faire」には、未踏ブース以外にもたくさんの未踏修了生や今年度の採択者が参加しています。その出展情報をまとめた「修了生マップ」を作成し、IPAブースで配布しました。当日会場で名乗り出てくれたり、出展情報を提供してくれたりと、修了生のみなさんに協力してもらい、マップを充実させることができました。
修了生の皆さんのブースの一部を紹介します。
上田 陽太さん(2021年度未踏アドバンスト事業修了生)
ルービックキューブで全国トップレベルの実力を持つ上田さんは、ルービックキューブを自動でバラバラにする機械を展示。人間が揃えるための補助的な役割を機械が担います。
栗原 一貴さん(2005年度上期未踏本体修了生)
格闘ゲームのボタン操作スピードを上げるオリジナルのコントローラを開発し、出展。題して「栗原式インパクトボタン」。
松浦 知也さん(2019年度未踏IT人材発掘・育成事業修了生)
3Dプリンターなどを使い、トランペットの開発に取り組んでいます。色やデザインにこだわりが出せるのも3Dプリンターで作るメリットだとのこと。
山名 琢翔さん(2018年度未踏IT人材発掘・育成事業修了生)
実際のオセロを使って戦えるオセロロボットを開発。アームが器用にコマを操り、ひっくり返す動作も完璧にこなします。
饗庭 陽月さん(2022年度未踏IT人材発掘・育成事業修了生)
組込み開発のデバッグをAIエージェントで自動化するツールを開発。オシロスコープのプローブの操作や計測、さらにはコーディング、デバッグまですべて自動で行います。プローブ操作部はプロッタを改造。
青木 俊介さん(2008年度上期未踏本体修了生)
青木さんが代表を務めるユカイ工学のブースでは、甘噛みハムハムや猫舌ふーふーなどの代表プロダクトを展示。また、青木さんが講師を務める武蔵野美術大学ロボット部、ユカイ工学がコラボを行う女子美術大学ロボット研究プロジェクトの展示も隣ブースで実施。
宇田 道信さん(2005年度未踏ユース修了生)
独特な操作感のオリジナル楽器「ウダー」を展示。バージョンアップを重ね、現在は6代目。弾きこなすにはかなりのスキルが必要ですが、慣れれば音符を意識せず歌うように奏でられるとのこと。
新里 祐教さん(2019年度未踏ターゲット修了生)
数々の作品を発表している新里さん。今回の展示タイトルは「右手」です。机いっぱいに広がるロボットハンド(右手)を操作することができます。大量のロボットが連動して動作する光景は壮観です。
反保 紀昭さん(2024年度未踏アドバンスト事業修了生)
未踏採択期間に開発していた5軸3Dプリンター「MAGE Printer」とスライサーソフト「MAGE Slicer」を展示。軸が増えることで複雑な形状の出力が可能になります。
土肥 正義さん(2024年度未踏アドバンスト事業修了生)
ドローンのためのフライトコントローラー「Tobas」を開発。未踏の採択時からプロジェクトを継続しています。ドローンの設計から設定、シミュレーションまでをソフト上で簡単に行えるシステムを開発しています。
長谷川 泰斗さん(2023年度未踏IT人材発掘・育成事業修了生)
新しく開発したコミュニケーションゲーム「テトテ」を展示。2人で息を合わせ、光が明滅するリズムに合わせて「テトテ」を支える新感覚のゲームです。
河野 紘基さん(2020年度未踏アドバンスト事業修了生)
超音波を用いた風力計を開発し、事業化も行っている河野さん。空気の流れをリアルタイムに可視化し、床に投影するデモンストレーションを実施していました。
ほかにも未踏修了生の出展情報をご存じの方はぜひ情報をお寄せください! 次回、Maker Faire出展の際に参考にさせていただきます。
未踏ブースにご来場いただいた方、修了生の皆さん、ご協力いただきありがとうございました。