2025年度未踏IT人材発掘・育成事業「スーパークリエータ」
SUPER CREATOR
村木 雄太 むらき ゆうた
所属:九州大学 芸術工学府
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略歴
(非公開)
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担当プロジェクトマネージャー
田中 邦裕
開発テーマ名
新しい機構を持ったアシストスーツと、その人間工学設計
概要
本プロジェクトでは、歩行を補助するアシストスーツ「Mechanical Suits」を開発した。Mechanical Suitsは非円形歯車を利用した機構を主軸としたアシストスーツであり、バッテリーやモーターなどパワードシステムを搭載していないことが特徴である。非円形歯車を用いた機構により、スプリング出力をコントロールし、人間の歩行に合わせたハイパワーなアシストが可能となっている。
加えて、自動設計ソフトウェアも開発した。身長や体重、歩速などの各種パラメータを入力することで、それぞれの人に合わせたアシストスーツ専用設計が自動で完了する。このアシストスーツの基本部品は、3Dプリンターで作成されているため、専用設計から特注生産までが自動化されている。このパーソナライズ設計の仕組みによって、非電動式でありながら高い動作性能を引き出すことに成功している。
さらに、原価は数千円程度と非常に低く抑えられており、高価格帯が一般的な既存のアシストスーツに対し、圧倒的な経済合理性を備えている。
図1: 「Mechanical Suits」を装着している様子
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2025年度 未踏IT人材発掘・育成事業 成果報告会(MITOU2025 Demo Day)動画
PMの評価
アシストスーツという領域において、従来のパッシブ方式が抱えてきた「トルク特性を設計できない」という根本的な制約に踏み込み、それを別の原理で乗り越えた点をまず評価したい。本プロジェクトでは、当初想定していた電動制御による実現が困難であると判断した段階で、単なる代替ではなく、非円形歯車によってトルクプロファイルそのものを設計するという方向へと発想を転換している。この判断は、制約の回避ではなく、問題の定義そのものを更新するものであった。
さらに、その発想を単なる機構の工夫に留めず、数理モデルとして整理し、歯車形状とトルク特性の関係を設計可能な形に落とし込んでいる点が重要である。加えて、その設計を自動化するソフトウェアとして実装し、個人ごとのパラメータに応じた設計から製造までを一体として扱える状態にまで引き上げている。機構、理論、ソフトウェアを分断せず、相互に接続されたシステムとして成立させている点は、単なる試作の域を超えている。
また、複数の機構を試作し、成立しない構成を明確に切り捨てながら、最終的に非円形ピニオンと曲線ラック歯車の構成に到達している。試行錯誤を経て設計の自由度と成立性の両立点を見出し、実際に動作する形としてまとめ上げている点からも、理論と実装の双方に対して責任を持ってやり切っていることがわかる。
結果として、当初計画とは異なる経路を辿りながらも、より本質的な問題に到達し、それを実装として成立させている。このように問題の捉え方を更新し、その解を具体的な形として提示できている点は、創り手として明確な到達があると評価し、スーパークリエータに相当すると判断した。
クリエータからひとこと
私は、発明やモノづくり、クリエイションが大好きです。世の中にまだ存在しないものが、自分の手から立ち上がっていく瞬間の感覚に勝るものはありません。
現在は、プロダクトを設計したり、イラストを描いたり、動画を作ったりと、ジャンルを横断してあれこれと作り続けています。「Mechanical Suits」もそのひとつです。最新版では多数のセンサーを搭載し、装着者の動きに応じて出力をリアルタイムに変化させられるようになりました。この技術はいつか、世の中をもっと楽しくし、多くの人を救うと、信じています。
そのために、私はまだまだ多くを学ばなければなりません。新しいものを生み出すために、いまある作品をさらに磨き上げるために。
ああ、なんて楽しみなんでしょうか!