2025年度未踏IT人材発掘・育成事業「スーパークリエータ」
SUPER CREATOR
杉本 隆平 すぎもと りゅうへい
所属:東京大学 大学院学際情報学府 先端表現情報学コース
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略歴
2002年4月 宮崎県生まれ
2022年4月 電気通信大学 I類 入学
2026年3月 電気通信大学 I類 卒業
2026年4月 東京大学 大学院学際情報学府 先端表現情報学コース 入学 -
受賞歴
2023年8月 電気通信大学 U☆PoC UECアイディア実証コンテスト優秀賞
2025年8月 電気通信大学 U☆PoC UECアイディア実証コンテスト優秀賞
2026年3月 電気通信大学 目黒会賞
2026年3月 電気通信大学 学生表彰 -
担当プロジェクトマネージャー
田中 邦裕
開発テーマ名
超小型ピンアレイによるポータブルな形状提示装置
概要
本プロジェクトは、ピンの上下動によって形状を提示するピンアレイ型装置を対象とし、高密度化と可搬性を両立した形状提示装置の実現を目的としたものである。
形状提示デバイスは、視覚情報を触覚として提示する技術として、点字ディスプレイや触覚インターフェイスなどの分野で研究されてきたが、既存の装置ではピン数や解像度に制約があり、十分な表現力を持つ高密度な形状提示は困難であった。
その主な要因は、ピン数の増加に伴う構造的な制約にある。ピンを増やすためには、それぞれを駆動するアクチュエータが必要となるが、従来の方式ではモーターごとに配線および制御回路が必要となるため、ピン数の増加に比例して回路規模および配線が増大する。この結果、装置は大型化し、消費電力やコストも増加し、可搬性を確保することが困難となる。
本プロジェクトは、このような課題に対して、高密度なピン配置とそれを支える駆動方式の両方を対象として設計を行うものであり、機構設計と回路設計を一体として検討する点に特徴がある。
最終的には、多数のピンを高密度に配置した構造と、それを効率的に制御する回路構成を組み合わせ、実際に動作する形状提示装置として試作機を構築することを目指したプロジェクトである。
図1: 高密度形状提示装置の試作機
図2: 高密度形状提示装置の全体構成と要素技術
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2025年度 未踏IT人材発掘・育成事業 成果報告会(MITOU2025 Demo Day)動画
PMの評価
高密度ピンアレイという難易度の高いテーマに対して、自ら試行錯誤を重ねながら取り組み、最後までやり切った点を評価している。単に与えられた枠組みの中で開発を進めるのではなく、途中で進め方に問題があると判断した際に、自分で方向を切り替えている。その姿勢は、未踏事業の理念にふさわしいものだと感じた。
特に印象的だったのは、機構設計として進めていた内容を、回路および配線の問題として捉え直し、モーターを行列的に扱う方式へと到達した点である。この判断によって、それまで成立しなかったスケールの問題に対して現実的な解を提示している。単に技術を積み上げるのではなく、どこに問題があるのかを見直している点に、杉本氏の強さがある。
さらに、その考え方を実際に形にしている点も重要である。モータードライバを含めた回路設計を自ら行い、基板を製作し、それを機構と統合して試作機として成立させている。4×4から8×8、最終的に256ピンへと拡張しながら、問題を一つずつ確認し、修正を重ねている。理論にとどまらず、実際に動くものとして作り上げたことが、何よりも評価できる。
このように、自分で考え、自分で方向を決め、それを最後までやり切る取り組みは、スーパークリエータとして大いに評価に値する。
クリエータからひとこと
未踏で開発した高密度形状提示装置について、現在は大学院で研究として発展させています。多数のモーターを小型な筐体内で効率よく駆動する回路方式や、可搬型の触覚・形状提示インターフェイスとしての応用を引き続き探索していきます。今後は、より高密度な試作機の構築と、触覚・形状提示インターフェイスとしての有効性の評価に取り組んでいく予定です。