2025年度未踏IT人材発掘・育成事業「スーパークリエータ」

SUPER CREATOR

鮎澤 颯人 あゆざわ はやと

所属:電気通信大学 情報理工学域Ⅲ類

  • 略歴

    2006年8月 埼玉県生まれ
    2025年3月 さいたま市立大宮北高等学校 理数科 卒業
    2025年4月 電気通信大学 情報理工学域Ⅲ類 入学

  • 受賞歴

    2023年3月 日本機械学会畠山賞
    2023年11月 4DFF学会 Top Award

  • 担当プロジェクトマネージャー

    竹迫 良範

開発テーマ名

OSとWebブラウザを統合したローカルLLM支援型オペレーティングプラットフォームの開発

概要

今日のWebブラウザは多様な処理を担う一方、ローカルOSとは分断されており、作業の非効率さが課題となっている。また、高性能なクラウドLLMは機密性の観点やコスト面で課題を抱えている。本プロジェクトは、カスタマイズ性に優れた「Floorp Webブラウザ」を中核に、WebとローカルOSの境界を解消する次世代LLMプラットフォーム「Floorp OS」を開発するものである。具体的には、自然言語の指示から明示的なワークフローを生成し、一連の処理として自動実行する基盤「Sapphillon」を開発した。この基盤はサンドボックス環境で動作し、細かな権限管理と拡張可能なプラグインシステムを備えている。さらに、ローカルLLMを活用することで、機密データを外部に送信せずに安全な処理が可能である。これにより、利用者はWebサイトの操作とローカルファイル処理を横断した作業を安全かつ効率的に自動化できる。本開発は、情報管理の制約からクラウド型AIを導入しにくかった企業や研究機関等での活用が見込まれ、日常のPC操作における新たなユーザー体験と実用的な自動化の可能性を広げるものである。

図1: 「Floorp OS」におけるLLMを活用したワークフロー生成から実行までの処理フローとプラグイン機能の概要

Floorp OSにおけるLLMを活用したワークフロー生成から実行までの処理フローとプラグイン機能の概要を示す図。図の上部では、指示の入力、ワークフローの生成、ワークフローのレビュー、静的解析による実行という四つの工程が左から右への矢印で示されており、LLMと静的パースを組み合わせた自動化処理の流れを表している。図の下部にはプラグイン機能の説明があり、ユーザー自身による関数の追加や作成が可能であること、OSとWebの両方を操作する機能が提供されること、およびサンドボックスによる安全機構や動作の事前確認機能が備わっていることが述べられている。右下には実際のプラグインストアの操作画面が配置されており、具体的なインターフェースを確認できる。

PMの評価

チームの中でTransformerやGPTを始めとする自然言語処理や、CNNやRNNを用いた画像分類の実践経験があり、今回のプロジェクトの肝であるLLMベースのワークフロー生成の実現において、技術的に大きな貢献をした。また、クラウドを用いないローカルLLMの利用も重要であるため、オープンウェイトで公開されている既存モデルの検証にとどまらず、LoRAやPrefix-Tuningといった追加学習技術の詳細なメカニズムを深く理解し、Hugging Faceのフレームワークだけに依存しない実装に貢献した。

クリエータからひとこと

未踏期間中は、ローカルLLMを用いてWebブラウザとOSの操作を連携させ、安全に自動化する基盤の技術検証を進めてきました。今後はこれを単なる実験で終わらせず、日常的に使える便利なプラットフォームへと育てるため、開発を継続していきたいと考えています。 現在は一般公開の準備を進めつつ、実用化に欠かせないLLMの推論精度の向上や、より正確なワークフローの生成に取り組んでいます。LLMがユーザーのやりたいことを汲み取り、自然に作業をサポートしてくれる環境ができれば、PC作業はもっと快適になるはずです。誰もが簡単にLLMの自動化を活用できる社会を目指し、さらなる実用化に向けて精進してまいります。

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