2025年度未踏IT人材発掘・育成事業「スーパークリエータ」
SUPER CREATOR
丸山 貴楽 まるやま たから
所属:東京大学 工学部 計数工学科 システム情報工学コース
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略歴
2004年12月 東京都生まれ
2023年4月 東京大学 理科一類 入学
2025年4月 東京大学 工学部 計数工学科 進学 -
担当プロジェクトマネージャー
曾川 景介
開発テーマ名
簡単な操作で高度な組版を行える文書作成システム
概要
現在の文書作成システムは、直感的な操作に優れた「Microsoft Word」と、操作性は劣るが美しい組版に特化した「LaTeX」に二分されており、両者はトレードオフの関係にあった。本プロジェクトは両者の課題を解決し、Wordの操作性と、LaTeXの高度な組版を両立させた文書作成システム『Monk』を開発した。
Monkの最大の特徴は、独自言語を記述する「CUI」と、実際の見た目である「GUI」が画面上で双方向連動する点にある。CUIからソースコードを記述して高度な組版を行えることに加え、完成形であるGUIを直接触って直感的に編集でき、その変更は即座にCUIに反映される。
CUIでは、新たに設計したマークアップとプログラミングの性質を併せ持った静的型付けの言語を用い、エラーを防ぎやすく可読性が高い。GUIは、数式を含む文章が標準的な組版要件に準拠し、美しい配置計算が行われる。
本システムの最大の利点は、ユーザーが場面に合わせてCUIとGUIの使いやすい方を選択しながら文書作成が行える点にある。初心者は直感的なGUIから使い始めることで学習コストのハードルを大幅に下げられる。同時に上級者にとっても、状況に応じてやりやすい方を選ぶことで、執筆を高速化できる。手軽で快適な操作性を持ちながら、美しい組版を行えることが本システムの価値である。
図1: 「Monk」の操作イメージ(右側GUIから編集が行える)
図2: 標準的な組版要件に準拠
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2025年度 未踏IT人材発掘・育成事業 成果報告会(MITOU2025 Demo Day)動画
PMの評価
丸山氏は、3人チームのプロジェクトのリーダーとして、プロジェクト全体を見事にまとめ上げた人物である。WYSIWYGエディタの設計・実装を主導し、GUIからの操作をバックエンドと安全に同期させる拡張性の高いインタラクション基盤をReact(TypeScript)で設計・実装した。エディタ開発の知識はゼロからのスタートであったが、既存製品のリバースエンジニアリングを通じて構造を深く理解し、プロトタイプの試行錯誤を経て堅牢な設計とモデル化を追求した。
丸山氏の真の素晴らしさは、技術力だけでなく、プロジェクトに起こる様々な障害や問題にPMと相談しながらチームを導いたリーダーシップにある。3人の異なる専門性を持つメンバーの力を引き出し、ひとつのプロダクトとして統合するという困難な課題に対して、厳密な仕様のすり合わせの重要性を自ら学び、チーム開発を成功に導いた。また、プロジェクトの価値を再定義する過程で独自の哲学を確立し、「組版」という枠に囚われず既存のフィールドから一線を画したプロダクトとして位置づけたことで、聴衆からの反応を変化させ、有意義なフィードバックを得ることに成功した。
クリエータからひとこと
未踏での経験は、「Monk」が掲げる価値と哲学を再定義する貴重な機会となりました。
次のフェーズでは、この価値をいかにユーザーへ届け、社会に浸透させていくかが一層重要になります。
文章作成の新たなスタンダードを確立すべく、精進して参ります。