2024年度未踏IT人材発掘・育成事業「スーパークリエータ」
SUPER CREATOR

伊藤 朝陽 いとう あさひ
所属:名古屋工業大学 大学院工学研究科 工学専攻ネットワークプログラム
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略歴
2001年12月 愛知県生まれ
2020年4月 名古屋工業大学情報工学科 入学
2024年3月 名古屋工業大学情報工学科 卒業
2024年4月 名古屋工業大学 大学院工学研究科 工学専攻ネットワークプログラム 入学 -
受賞歴
2023年11月 JPHACKS2023 Best Audience Award、JPHACKS2023 Innovator認定、企業賞(ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社賞、富士フイルム株式会社賞、華為技術日本株式会社賞、トランスコスモス株式会社賞)
2024年9月 情報理論研究会 情報理論とその応用サブソサイエティ学生優秀発表賞
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担当プロジェクトマネージャー
五十嵐 悠紀

開発テーマ名
スムーズな多言語交流を実現するためのARによる会話支援システム
概要
本プロジェクトでは、会話中に言葉に詰まることなくスムーズに話せるようにするため、ARグラスと連携するiOSアプリ「PredicTalk」を開発した。PredicTalkは、ユーザが話した内容をもとに次に使えそうなフレーズの候補をリアルタイムで表示し、ARグラスをタップすると別の案を提示する仕組みを持つ。候補の表示タイミングや数は設定画面で調整でき、個人の好みや状況に合わせたサポートが可能となっている。開発中はARグラスの到着遅れに対応して自作のテスト環境を用意したり、実際の利用者から集めた意見を反映しながらデザインや操作性の改善を行った。この仕組みは英会話練習だけでなく、異なる言語での対話や発表準備など、様々な場面で活用できる。開発期間中にはテスト利用者から高い評価を得ており、より多くの人が自然に話せる体験を提供することを目指している。

図1: ARグラスをタップすることで、別の案を表示している様子

図2: 「PredicTalk」の概要
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2024年度 未踏IT人材発掘育成事業 成果報告会(MITOU2024 Demo Day)動画
PMの評価
ユーザの発話を支援しながらも、自然な流れで会話ができるシステム「PredicTalk」を開発した。チームリーダーは青原氏であるが、伊藤氏は対等な立場でチームを引っ張り、開発を推進した。伊藤氏は特に音声認識部分やデスクトップアプリケーションの開発を主に担当していたが、これまで取り組んだことのなかったiOSアプリ開発にも意欲的に挑戦していた。当初のアイデアを実現するために積極的に開発に臨んだ姿勢を高く評価した。
伊藤氏は常に前向きで明るい性格であり、困難にぶち当たっても最後まで粘り強く取り組む姿勢が印象的であった。青原氏と同様に、世の中にないプロダクトを作り上げ、それによりコミュニケーションを技術で支援する世界を示したことは、スーパークリエータとして認めるに値する。
クリエータからひとこと

ARグラスと連携したアプリケーションである「PredicTalk」は、言葉に詰まらず自然な対話を続けられる環境づくりを目指して開発を進めてきました。現在は操作性や表示の調整などソフトウェア全体の磨き込みを行っています。今後も段階的に機能を整え、教育や国際交流の場で役立つツールへ育てたいと考えています。未踏事業で培った知見を活かし、多様な背景を持つユーザが使えるよう改善を重ねます。