2024年度未踏IT人材発掘・育成事業「スーパークリエータ」

SUPER CREATOR

スーパークリエータ

青原 光 あおはら ひかる

所属:名古屋工業大学 大学院工学研究科 工学専攻メディア情報プログラム

  • 略歴

    2001年1月 愛知県生まれ
    2020年4月 名古屋工業大学 工学部 情報工学科 入学
    2024年3月 名古屋工業大学 工学部 情報工学科 卒業
    2024年4月 名古屋工業大学 大学院工学研究科 工学専攻 メディア情報プログラム 入学

  • 受賞歴

    2023年11月 JPHACKS2023 Best Audience Award、Best Finalist Award、JPHACKS2023 Innovator認定、企業賞(トランスコスモス株式会社、ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社、華為技術日本株式会社、富士フイルム株式会社)
    2024年9月 第151回 日本音響学会2024年春季研究発表会 学生優秀発表賞受賞

  • 担当プロジェクトマネージャー

    五十嵐 悠紀

青原 光

開発テーマ名

スムーズな多言語交流を実現するためのARによる会話支援システム

概要

本プロジェクトでは、会話中に言葉に詰まることなくスムーズに話せるようにするため、ARグラスと連携するiOSアプリ「PredicTalk」を開発した。PredicTalkは、ユーザが話した内容をもとに次に使えそうなフレーズの候補をリアルタイムで表示し、ARグラスをタップすると別の案を提示する仕組みを持つ。候補の表示タイミングや数は設定画面で調整でき、個人の好みや状況に合わせたサポートが可能となっている。開発中はARグラスの到着遅れに対応して自作のテスト環境を用意したり、実際の利用者から集めた意見を反映しながらデザインや操作性の改善を行った。この仕組みは英会話練習だけでなく、異なる言語での対話や発表準備など、様々な場面で活用できる。開発期間中にはテスト利用者から高い評価を得ており、より多くの人が自然に話せる体験を提供することを目指している。

予測候補をARグラスに表示している様子(左)と、開発したアプリの画面(右)

図1: 予測候補をARグラスに表示している様子(左)と、開発したアプリの画面(右)

PMの評価

ユーザの発話を支援しながらも、自然な流れで会話ができるシステム「PredicTalk」を開発した。自身の海外でのコミュニケーションの経験をもとに「相手の目を見てスムーズに会話できるよう支援したい」という目標を掲げ、その実現に向けて開発を進めてきた。当初の思い描いていた通りのシステムを完成させた完遂力を高く評価する。開発当初、購入をしたFrameがなかなか届かなかったため、公開されているFrameの仕様やソースコードを独自に解析し、同じ基板を入手し、自作のシミュレータを開発するなど、プロジェクトを進めていくために意欲的に手を動かしていった姿勢も高く評価した。
青原氏は自分自身が使ってみた違和感やユーザインタビューの結果を踏まえて機能を改善するなどプロジェクトを引っ張っていった。結果として世の中にないプロダクトを作り上げ、それによりコミュニケーションを技術で支援する世界を示したことは、スーパークリエータとして認めるに値する。

クリエータからひとこと

青原 光

今後は既存のアプリケーションとサービス基盤を機能・操作性ともに磨き上げ、スマートフォンに加えてデスクトップ向けアプリにも対応領域を拡大するつもりである。さらに、多様なARグラスの表示仕様に合わせた最適なUI/UXを設計して、音声認識と発話予測を融合させた滑らかな会話体験を実現し、こうした取り組みにより、翻訳アプリに頼らず自らの言葉で外国語を話し、言語の壁を越えてつながる世界の実現を目指していく。

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